第59回 KEKコンサート

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さっきまで小林ホールでKEKコンサートを見て(聞いて)いた。
コンサートの後は出口が混むので備忘録を兼ねて。

Bach/Bosoni BWV1004 Paritita No.2 for Violin Solo - Chaconne
J.Brahms Op.118 6 Pieces for Piano
D.P. Stotz "Good wishes for Japan - March 2011"
--- Intermission ---
F.Chopin Op.27-2 Nocturne No.8 in D-flat Major
F.Chopin Op.35 Sonata No.2
F.Chopin Op.60 Barcarolle
--- Encore ---
F.Chopin Op.25-1 12 Etudes No.1
J.S.Bach BWV971 Italian Concerto in F Major III

KEKコンサートにしては本格的なプログラム。川添亜希さんで調べると同じプログラムでリサイタルをされているようだ(3000円)。

小林ホールが音楽ホールでは無いので残響が極小で、ピアノ自身もあまり響かないのでかなりデッドな響きになる。なので、それになれるまで音に違和感がある。演奏する側もそうなんではないだろうか?
誰かの椅子がギコギコ音を立てていて耳障りだったのだが、演奏者の椅子だった。休憩時間に油をさしてくれる偉い人がいて後半は鳴らなくなった。
BrahmsのOp.118を全曲生で聞いたのは初めてな気がする。私の好きな Intermezzoはスルスルと進んでしまう(もっと甘く歌ってほしい)。
Stotzさんの曲は現代曲のわりには聞きやすい、きれいな癒し系の曲だった(3.11なんで当たり前か)。
どちらかというと後半のショパンの方が手の内に入っているという感じだったのではないかと思う、ピアノ響きにも慣れてきていたのもあると思うが。
アンコールはショパンのエチュードとバッハのイタリア協奏曲の3楽章。ピアノの響きがデッドなのでバッハがいいかなどと思っていたのだが、あたりだと思う。少しレガート目に弾かれるのだがそれでも一音一音クリアに響いて良い。

A. Gorlatch ピアノリサイタル

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つくばコンサートが終わってしまって以来行くことも少なくなってしまったコンサートだが、久しぶりにノバホールにコンサートを見(聞き)に行ってきた。
アレクセイゴルラッチさんは多分つくばは3度目で、2010年2012年にきている。いつ頃決まって発売開始されたのかは知らないが、ノバホールで偶然見つけて購入。指定席はもともとノバホール販売分にはろくな席が無かったと、私は後の方に座ることにしているので自由席3500円。開場時間ごろに行って中央左より後ろから二番目の席を確保した。どうせいっぱいにはならないだろうと思っていたら、東京中心のマーケティングをしているからだろうか8割くらいの入りだった。
プログラムは、
Op.61 Polonaise-Fantasie
Op.67 4 Mazurkas
Op.68 4 Mazurkas
Op.60 Barcarolle
--- Intermission ---
Op.35 Sonata No.2
Op.57 Berceuse
Op.31 Scherzo No.2
--- Encores ---
Op.28 24 Preludes No.4, No.24
Op.10 10 Etudes No.4, No.1
なにか覚えがあるなと思っていたら、2010年のコンサートとほとんど同じ。お気に入りなのか、レパートリーが少ないのか、Op.67,68あたりは大した曲とも思わないし、続けて演奏する意味もないので、他の曲にしてほしいところ。
演奏自体は過去二回のコンサートの時の印象と同じ。十分なメカニック、キレイでコントロールされた演奏。あまり大きくならしたりしない。妙にゆっくりになったり、ひどくあっさり弾いたりするが全体に温度の低い演奏という印象。
アンコールは前奏曲と練習曲から二曲。
若いのにもう少しバリバリ弾くレパートリーもあった方がいいのでは?

科学と音楽の饗宴2015@ノバホール

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日曜日はノバホールに科学と音楽の饗宴というKEKのイベントを見に行った。
webによると小柴さんのノーベル賞のあたりに始まって今回で10回目らしい。私が見にいくのは昨年に続いて2回目。
去年も思ったが結構お客さんが入る。演奏目当てなのか、講演目当てなのかはわからないが、やはり無料と言うのがいいのだろうか?
前半の講演はKEKの先生による宇宙背景放射の話。話のほとんどは宇宙の大きさに関することで、正直物理はほとんど無い。話自体はおもしろかったらしくお客さんはとても満足されているようだった。
左下の写真は宇宙背景放射の揺らぎを球面調和関数で展開した有名なグラフだが、これを適当に音波の周波数に改変して音にして聞かせる。それはいいと思うのだが、実際は音では無いのにそのあたりの説明を一切しないので、お客さんは宇宙でそういう音が鳴っていたと信じて帰ったのではないだろうか。ちなみにその音はこのsiteで聞くことが出来る。38万年から76万年までのあいだらしい。何でもいいから適当な分布をフーリエ変換して周波数帯を可聴領域に割り振れば基本的にどんな分布でも音にできるので、試しにやってみるといいかも。
後半はチェンバロによるバッハの演奏
チェンバロによるバッハと聞けば、例によってバロック的アゴギクを予想していたのだが、モダンピアノ的演奏で(私には)良かった。最後は演奏者自身の編曲によるシャコンヌだったのだが、ブラームス的にミニマルな編曲ではなく、ブゾーニ的な豪華絢爛な編曲でかなり壮大な音楽になっていて素晴らしかった。人によってはバッハの精神性がとか言い出しそうだが。

科学と音楽の饗宴2014@ノバホール

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ノバホールに科学と音楽の饗宴というKEK主催の音楽イベントを見(聴き)に行ってきた。
何回目かは知らないが年に一回やっているようで、前半が科学に関する一般講演、後半が音楽会になる。入場が無料だからかたくさんお客さんが来ていてノバホールの一階部分がほぼ満席(二階は開いていない)になっていて驚いた。
一般講演は筑波大学附属病院の先生による放射線治療の話。加速器による放射線治療とホウ素中性子捕捉療法(BNCT)というのの話。一般講演ということで専門的なことも少なく正直 unimpressive。
後半の音楽部分はバッハのGoldberg Variationsの弦楽三重奏版(Dmitry Sitkovetsky編)。ヴィオラの今井さん以外の2人はとても若く(22才)、名前からしてスペイン人か?と思っていたらヴァイオリンのMaia Cabezaさんはつくば生まれのアルゼンチン人のようだ。4歳からCanadaでバイオリンのレッスンを受けているとか書いてあるので、日本にずっといたわけでは無いようで、両親は研究者なのだろうか?
演奏の方はリピート無しの予定を演奏者の希望でリピート有りにしたそうだ。私はリピートは大嫌いなのでかなりうんざり、正直正味40分でも充分長いのに75分だと集中しつづけるのは無理。ちょっと調べるとこの3日前に紀尾井ホールで同じ曲を演奏している(6000円)。
弦楽三重奏版は初めて聞いたが、ピアノで聞くのと比べてそれほど違和感が無いのはバッハらしい所。一つ良かったのは3曲ごとに現れるカノンで、ピアノだと音色が一緒なので聞き分けが(私には)不可能だが楽器が違うので、なる程カノンなのだと分かる。
残念だったのは終曲のアリアの天国的に美しいところで携帯電話を鳴らすアホがいたこと。あと、KEKの広報の人だと思うが、写真を撮るのにカシャカシャ音をたてるのは少なくともクラシック音楽のコンサートでは御法度だ。音のしないカメラを使うか、それなりの対策をした上で気にならないタイミングで撮るべきだ。
いいイベントだと思うが、もう少し時間を長くして講演部分を充実させた方がいいのでは?全体で2時間を越えてはいけないという縛りは特に無いと思う。

浜松国際ピアノコンクール2012 ニ次予選

週末にもかかわらず、来週の出張のスライドを作っている。web を見てたら3年に一度の浜松コンクールが行われているのを見つけて聞いている。今日は二次予選の最終日。ストリームとVODを駆使して聞いていく。自分の耳がどの程度のものなのかの Calibration にもなる。

課題曲は、委託作品を除くと
1) ショパン、リスト、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフ、バルトーク、ストラヴィンスキー、リゲティの練習曲より1曲ないし2曲
2) メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、フランク、ブラームスの作品より1曲ないし数曲
3) フォーレ、ドビュッシー、スクリャービン、ラフマニノフ、シェーンベルク、ラヴェル、バルトーク、ウェーベルン、ベルク、プロコフィエフ、ショスタコービッチの作品より1曲

フリステンコさん (28)
私の好きなScriabin Op.42-5。非常に良い。理想的。

實川さん。 (22)
Schumann の交響的練習曲。遺作無しなのは良かったが、演奏は外したり、ところどころ非常にゆっくりだったり、個性的な演奏だったように思う。私の好みではない。

中桐さん、(25)
Lisztのダンテを読みて。なかなかの熱演で良かったと思う。

シュさん。(21)
Liszt の鬼火の最初の方がうまくいかず。鬼火をわざわざ選んで外してしまうと印象が悪い。その後持ち直し、夜のギャスパールは良かったと思う。

タルタコフスキーさん (23)
ショパンのソナタ3番。4楽章は、テンポに一貫性が無いし、右手の速いところだけ妙に急ぐ感じで私の好みではない。

佐藤さん (29)
ショパンのOp.10-1は完璧ではなかったが滑らかで音楽的。良かったと思う。Schumannの交響的練習曲、メカニックが完璧、音楽的にも整っていて非常に良い。

チュウさん (26)
全て良く弾けていると思うがいまひとつピンとこない。きっと私の聞く能力のせいだ。

ソさん(22)
メカニックは良いので安心して聞いてられるが、La Valseなどは単調でちょっとつまらない。

私が気に入ったのはフリステンコさんの Scriabin Op.42-5と佐藤さんの Chopin Op.10-1 と Schumann Op.13。二人とも(特に佐藤さんは)曲がすっかり手の内に入っていて、音楽的。と思ったら28才と、29才。浜松コンクールって年令制限緩すぎじゃなかろうか? 29才の新人を発掘?したいのかなあ?

審査も発表されたようで、佐藤さんは通ってフリステンコさんは落ちた。私の素人の耳はまったく当てにならないようでwebに載っている感想や、審査結果とは全然一致しない。仕事しながらwebで聞くのと会場で聞くのでは全然印象がちがうのもあるだろうが。

A. Gorlatch ピアノリサイタル 2012

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例によって年に何度か耳をCalibrateするためにつくばコンサートに行ってきた。
演者はAlexej Gorlatch アレクセイゴルラッチさん。2010年12月にもつくばにきている。前日に思い立って切符を買いに行ったのだが案の定全然売れて無いようだった。私が買ったのは最後列の真ん中、B席2500円。東京に聞きにいくことを考えれば交通費より安い。これで、浜松のチャンピオンの演奏が聞けるのだから恵まれている。

Beethoven Sonata No.8 in C Minor 'Pathetique'
Beethoven Sonata No.14 in C-sharp Minor 'Moonlight'
-- intermission --
Beethoven Sonata No.17 in D Minor 'Tempest'
Beethoven Sonata No.31 in F-flat Major
-- Encores --
Chopin Mazurka No.47 Op.67-4 A Minor
Chopin Etude Op.10-4 A-sharp Minor
Chopin Waltz No.1 Op.E-flat Major

ベートーベンのソナタ4曲といういささかうんざりなプログラム。
Gorlatchさんの演奏は、前のときとあまり印象は変わってなくて、コントロールされた音色で絶対に汚い音は出さないという感じ。割とテンポは守る方で揺れは少なく、テクニックはあるので速く弾きがちなのだが、拍はあまり感じないので聞き取りにくい。例えば14番3楽章とか17番3楽章とか。8番ソナタの2楽章は端正で美しいメロディーなのだが、あまり、歌うという感じでなくここもするすると進んで行ってしまう。
私の好きな31番ソナタの3楽章、二回目のフーガの後、フィナーレに向けて盛り上がるところはベートーベンらしく格調高く弾いていただきたいのだが、あからさまにテンポが上がってしまった(気がした)のは残念だった。
アンコールはショパンを3曲。リラックスして弾くので、自由自在という感じで同じ人が弾いているとは思えないくらい。テクニックもあるし、指まわりも完璧だし、ベートーベンよりショパンとかドビュッシーとか方が向いている気がする。

例によって客の入りは残念で、一階の1/4位?は入っていたくらいで、200人くらいだろうか?これだったら、KEKコンサートの方が多いくらい。ピアノ音楽好きでコンサートに行くような人なら、2500円でこのレベルの演奏が聞けるなら見逃さない気がするので、つくばでピアの音楽好きという人はあまりいないということか?

Bach Goldberg Variations

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Bachのギター編曲には有名なGoldberg Variationsもあって、Kurt Rodarmerさんの編曲による演奏をもっている(左上)。これは、ギターの多重録音で、Goldbergの為に音域を広げたギターを作ってもらったらしい。なかなか素晴らしくて愛聴盤なのだが、残念ながら繰り返し有り。
ピアノ盤も(もちろん)色々あるのだが、私は繰り返しが嫌いなので、なるべく繰り返しの無いものを選んでいる。個人的には同じ変奏を二回繰り返す意味がわからないし、特にアリアの繰り返しは最悪だ。
右上はA. Rangellさんの演奏で、録音の製もあるがやさしくなめらかな演奏で優美といっていいと思う。高橋悠治さんのいわゆる旧録(左下)は全く繰り返しが無いので演奏するのに35分くらいしかかからない。演奏も素晴らしい。ゴルドベルグと言えばGouldだが、有名な55年盤と80年盤以外にもコンサートのライブ録音があって(右下)これも非常に良い。
一時期Rangellさんの演奏で最後のAriaの無いCDを焼いて、リピート機能で第30変奏が終わったら頭のAriaに戻るようにして通勤の車の中でエンドレスで聞いていた時期があった。そういった意味でRangellさんの演奏は頭にすりこまれている。

Bach Guitar Transcriptions

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Bach/Godowskyのピアノ編曲のところで触れた、Bachのバイオリン族のための曲だが、オリジナルは聞いたこともないくせにギター編曲のCDは持っている。村上春樹さんのエッセイで山下和人さんの演奏に触れられていたので、Godowsky編と比べてみたくて買ったものだ。
写真の二枚がそれで、左がBungartenさんのバイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲のギター編曲集、右がWangenheimさんのチェロ組曲全6曲のギター編曲。それぞれ演奏している人の編曲だと思われる。
どちらもとても良くて、まるで、ギターのために作曲されたかのように聞こえる。Busoniのピアノ編曲で有名なBWV1004のシャコンヌはピアノよりギターの方があってるのではないかと思うくらい。

Bach/Godowsky Piano Transcriptions

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先日のKEKコンサートで唯一知っていた曲がBachのチェロ組曲6番だったのだが、それも、編曲を知っているだけでオリジナルのチェロの演奏は聞いたことが無かった(このへんで私の音楽への知識の偏りがバレてしまう訳だが)。
というわけでまた最近Bachのピアノ編曲をよく聞いている。Bachのバイオリン族の音楽のピアノ編曲はBach/BusoniのChaconneが有名だが、余り知られていないと思われるGodowskyの編曲も大変良い曲だ。
GodowskyはバイオリンのソナタNo.1-3の3曲とチェロ組曲の2,3,5番の合計6曲をピアノ編曲している。私が好きなのはバイオリンソナタの1番とチェロ組曲5番の編曲。特に後者の第一曲目のPreludeとFugueは非常に良い曲で、この一曲だけ抜き出して演奏会で弾いても良いと思う。Godowskyの編曲は過剰なまでにピアノ音楽化されているので(Busoni編のChaconneのように)この曲を聞いて元の曲の姿を思い浮かべるのは難しい。チェロだけでどう弾くというのだろう?
CDはNaxos(Marco Polo)のScherbakovさんによるGodowskyのシリーズの2番目(写真左)がバイオリンの編曲で7番目がチェロ。もう一人Carlo Granteさんの演奏(右)もあって私の知る所全部弾いているのはこれらしかない。
演奏はGranteさんの方はもうちょっと素軽さがあってもいい気がするしScherbakovさんの演奏は所々タッチの荒っぽいところがある気がするのだが、まあ、いい演奏だと思う。
Hyperionで進んでいるBachのPiano編曲のシリーズにはなぜかまだGodowskyがない。HyperionでGodowskyといえばHamelinさんなのだが、録音する気はあるのだろうか?

第40回KEKコンサート

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もうずいぶん前だがKEKコンサートと言うのがあった。備忘録として記しておく。
バイオリンとチェロのデュオ。プログラムはここに。小林ホールは満席で250人程だが、驚いたことに8割くらい埋まっていた。これだと、つくばコンサートの客の少ないときよりは確実に多い。一体どういう人が聞きにきているのだろう?
私はバイオリン族の音楽は苦手で全然良さがわからないのだが、案の定余り楽しめない。前半聞いた所で帰ろうと思ったが、演者の方がコダーイの曲がチャレンジングな大曲でずっと練習してきたとおっしゃるのでどんなものかと最後まで聞いた。
結論としてはやはりこのタイプの音楽との相性はよく無いようだ。
演者さんのトークによると出演依頼は1年前らしく、えらく前から準備しているんだなと思い、聞こえてきた立ち話をしていた実行委員の人の話によれば今年(度?)のコンサートは全て決まっているとのことで、結構しっかりとした運営がなされているんだと変なことに感心してしまった。

広瀬悦子ピアノリサイタル

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たまに生のピアノの音を聞いて耳をcalibrateしているのだが、今回は何かのひょうしに見つけた広瀬悦子さんのコンサートを聞きに上野に行ってきた。
東京春音楽祭と言うのの一部だそうで、リサイタルには『同世代を生きた3人の作曲家達へ』という副題がついている。会場は上野の石橋メモリアルホール。最近改装されたそうで綺麗な500人ほどのホール。客の入りは半分くらいで、招待じゃない(私のような)人はそのさらに半分くらいだろうか?私は自分の席ではなくガラガラだった後の方に座って聞いていた。

プログラムは
F.Chopin Op.15-2 Nocturne No.5
F.Chopin Op.47 Ballade No.3
C.V.Alkan Op.15-2 Souvenirs 3 Morceaux - Le Vent
F.Chopin Op.15-1 Nocturne No.4
C.V.Alkan Op.27 Chemin de Fer
F.Chopin Op.23 Ballade No.1
-- Intermission --
Rossini/Liszt S552 Ouverture de l'opera Guillaume Tell
F.Liszt S161-2 2 Annes de Pelerinage, 2eme Annee Italie - Il pereseroso
F.Liszt S162 Venezia e Napoli
-- Encore --
F.Chopin Neuvelles Etudes No.2 in F-flat Major
F.Chopin Op.25-11 12 Etude

『同世代を生きた』Chopin/Liszt/Alkan の曲で、なかなか悪くない選曲。

聴き始めてすぐに感じたが、このホールは残響が多く長めで、ピアノにはあまり向いていない。
広瀬さんの演奏は本当に自由かつ音楽的でいい。ショパンの曲を歌うように弾くし、アルカンの二曲のようなつまらない?単調?で難しそうな曲でもちゃんと表現をつけて音楽にしようとしている。鉄道のテクニックも凄い。
後半の最初のウイリアムテルはどうしてこのParticularな曲を選曲したのだろう?タランテラの最後とアンコールの25-11の最後はかなりの力の入りようで崩壊気味、ここまでくるとちょっとついていけない。

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その後ラジオでこのコンサートの録音を聞いたのだが、生で聞いたのとずいぶん印象が違う。崩壊気味と書いてしまったタランテラとショパンもかなりの熱演ではあるが、崩壊気味は言い過ぎなきがする。まあ、ショパンコンクールでこういう弾き方をしたら落とされそうだが。私の耳はあまり当てにならなくて、その場の雰囲気にずいぶん影響されるようだ。

CD Vineのソナタ と Chopin 曲集

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最近買ったCD。一つは広瀬悦子さんのChopin集。バラード全曲と幻想曲、ノクターン2,4,5,13番。広瀬さんだからもっと情熱的な演奏かと思ったが、バラードはひたすら優しく優美な演奏。これはこれで悪くない。私の好きなノクターン13番は良い演奏で満足。
もう一つはVineのソナタが目的で買ったS. BabayanさんのCD。Vineのソナタは何かのコンクールで誰かが弾いているのを聞いて知った曲で、実際買って聞いてみても、現代曲(1990)にしては親しみやすく、かつ現代曲っぽい良さもあって非常に良い曲。演奏もなかなかの迫力で良い。

高橋アキ ピアノリサイタル

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ノバホールに高橋アキさんのコンサートに行ってきた。B席2500円。
つくばコンサートのつねだが、客の入りは極悪で100人いただろうか?
PianoがSteinwayじゃなくてベーゼンドルファーだった。心持ち高音のシャリシャリした感じが少ないか?

E. Satie Gymnopedie No.1
武満徹 雨の樹素描I
J. Cage Ophelia
R. Rudi Le Tombeau Oublie (アキのための俳句)
G. Sholdice Tanka for Aki Takahashi (Prelude No.5 for Piano)
F. Schubert D935 Op.142 Impromptus No.1 in F Minor
--- Intermission ---
From Hyper Beatles
McCartney/Feldman Michelle (Barbara Monk Feldman)
Lennon-McCartney/Kalimullin Norwegian Wood (Rashid Kalimullin)
McCartney/Takemitsu Golden Slumbers
McCartney/Miwa Let it be - Asian Tour (Masahiro Miwa)
Lennon/Marcus Julia (Bunita Marcus)
Lennon/Klucevsek Monk's Intermezzo based on I Want you (She's So Heavy)(arr. Guy Klucevsek)
Lennon/Nishimura Because (Akira Nishimura)
Lennon-McCartney/Rzewski Short Fantasy on "Give Peace a Chance"
--- Encore ---
E. Satie Je te veux
E. Satie Gunossienne No.1

ほとんど現代音楽なので、知らない曲ばっかり。ということで、高橋さん自らによる曲の解説つき。
高橋さんは難しい現代曲を弾いたりしているというのは知っているものの演奏を聞いたことは無かったのだが、非常に力の抜けた演奏という印象。
ジョンケ-ジの(プリペアしていない)普通のピアノ曲は余り聞いたこと無いのだが、結構まとも。Hyper Beatlesの中では、Lennon/Marcus の Julia というのが良かった(元曲は聞いたことは有ると思うが)。
アンコールはサティのJe te veuxでこれは、しっとりとした演奏で良かった。

米川幸余 ピアノリサイタル

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一般公開の代休を使ってノバホールに表題のコンサートに行ってきた。全席自由2000円。
最近は余りコンサートも行かないのだが、プログラムに含まれていたメトネルの『悲劇的ソナタ』が目当て。
米川さんと言うのは知らない人だし、平日の昼間だからがらがらだろうと高をくくっていたら、びっくりする位客が入っていた。去年一番良かった河村さんのコンサートよりは良く入ってたと思う。一体どうやって集めたのだろう?

G.Hendel Channone
W.A.Mozart K545 Sonata No.16
N.Medtner Op.39 Frogotten Melodies より、
No.4 Canzona Matinata
No.5 Sonata Tragica
--- Intermission ---
R.Schumann Kreisleriana
--- Encore ---
F.Chopin Nocturne No.2
F.Mendelssohn Op.30-6 Songs without Words - Venetian Condola Song

お目あてのMedtner のソナタは初めて生で演奏しているのを見たが、とても難しそうだった。テクニカルな事はよくわからないが、かなり複雑な曲でうまく弾かないと全然音楽に聞こえないし、うまく弾かれても何回か聞いていかないと音楽に聞こえて来ない。米川さんの演奏は私には音楽に聞こえたが初めて聞いた人はどう思ったのだろう。

小菅 優 ピアノリサイタル

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つくばコンサートで小菅優さんのリサイタルに行った。B席2500円だと東京に聞きに行くことを思えばただみたいなものなので、とくに内容は気にせず聞きに行く。左側でほとんど最後列の席。
小菅さんのコンサートは実はこれで3回目。一回目は2005年に笠間で、2回目は2007年につくばで、聞いている。客の入りは例によって悪くて1階席が1/3位埋まっていただろうか?小菅さんは日本ではかなり名の知れた人なのにこれだけしか入らないとは、勿体ない。
プログラムは、オールベートーベンで、
Sonata No.16
Sonata No.17
Sonata No.18
-- Intermission --
Sonata No.28
-- Encore --
F. Liszt Rhapsody Espanol
ソナタばっかり4曲という、El Bachaさんと同じくいささかうんざりするプログラム。
BeethovenのSonataはかつて聞いた健全な感じの演奏とは違って、結構表情付けが大きくかなり戸惑った。私にはベートーベンのソナタは高尚な音楽と言う印象(思い込み)があって、割と、清らかに格調高く演奏して欲しいのだが、小菅さんの演奏はそうではなかった。16番は結構軽い感じの曲だと思うのだが小菅さんが弾くと世紀の大ソナタ見たいに聞こえる。他の曲も概ねそのパターンで聞いているうちに、ベートーベンの曲がリストの曲のように聞こえて来た。もっともこのあたりは私の体調と一曲目を聞いての思い込みにかなり影響されていると思う。
こんな感じで4曲聞いていい加減うんざり気味で、アンコールはあまり期待していなかったのだが、弾き出したときに私の大好きなリストのスペイン狂詩曲だったので若干驚いた。こんな大変そうな曲をアンコールで弾くとは。この演奏は完璧で素晴らしかった。

Liszt のPiano曲のCD

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Liszt の年と言うこともあり Liszt のピアノ曲のCDがたくさん出ていて、最近CDを買った。
左上はLortieさんの『巡礼の年』全曲3枚組。S160-6 オーベルマンの谷とか、S161-7 ダンテを読みてとか有名な曲は持っていても全曲と言うのは持っていなかったので、それがLortieさんなら外さないだろうと言うことで。
右上がHamelinさんの4番目のLiszt曲集。今回はS178 Sonata とS529 BACHの主題によるFantasyとFugueがメイン。
Lisztのソナタは一時熱心に聞いたことが有って、私にしては珍しく、多分10位音源を持っている。曲がいいのでどれを聞いてもいいのだが、一つ挙げるとすれば、一番『熱い』Terrence Juddさんの演奏か。これをLiveで聞かされたら凄いだろうなあと思う。Hamelin さんの演奏は一部異常にクリアかつスピーディーなところがあって引きつけられる。
もう一つの『BACHの主題・・・』は落ち着き過ぎた感じで、温度が低い。
Lisztの有名な曲は他にも Mephisto Waltz とか愛の夢とかたくさん有るが、余り知られていなくて私が好きなのは『S179 Bachの「泣き、嘆き、悲しみ、おののき」による前奏曲』。と『S180 Bachの主題による変奏曲』。どちらも、Bachの主題を美しく激しくかっこよく編曲している。S519とともにもっと弾かれて良い曲だと思うのだが、Lisztの場合いい曲が多すぎるからここまで手がまわらないのだろう。3曲とも右下のHowardさんのLiszt全集の3番目に入っている。S519はHamelinさんより激しい演奏で盛り上がりが凄い。

ここまでLisztのCDを挙げてきたが、Bach/Lisztで1枚、Operaの編曲を2,3枚、練習曲を2枚、そして、有名曲を何枚か買うともう10枚位になってしまう。最初に買うならなんだろう?やはり超絶技巧練習曲か?

Liszt の Etude

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今年はLisztの年と言うことでLisztを聞く。全部でCD100枚分位は曲を書いているので、なんだかんだ言ってたくさんCDを持っている。作曲家別に別けると多分一番多い。
Liszt というと最初に思い付くのはやたらと難しい曲なのではないだろうか。と言うわけでEtude。
有名なのはS139超絶技巧練習曲。最初に曲の存在を知ったときなんて凄まじい曲名なんだろうと思った。12曲のやたら難しいとされる曲が並び、特に4番目のマゼッパと5番目の鬼火が(難しいので)有名。練習曲といっても全て音楽的で単に音楽として聞いても非常に優れているところがLisztの偉いところ。私が好きなのは、余り難しくないらしく人気の無い11番目『夕べの調べ(Harmonies du soir)』。静かな美しいメロディーで始まって、段々盛り上がって行き最後は絢爛豪華に終わる。極度にロマンティックな曲。各種CDは出ているが、私が持っているのは左上の安物2枚組のCDに含まれるOvchinikov(オフチニコフ)さんの演奏。
もう一つ有名なのはパガニーニ大練習曲S141で、パガニーニの24のカプリスから主題をもらって来て技巧的なピアノ曲にしたもの。6曲有って3番目の『La Campanella』と6曲目の『主題と変奏』が有名。こいつにはもっと難しいパガニーニ超絶技巧練習曲S140というのもあってマニアに人気が有るのだが、両方聞くと確かにS140の方が難しそうだが、どちらが音楽的かと聞かれればS141の方だ。例えばS140とS141の『主題と変奏』を聞き比べれば、S141の方が軽快で全然いい曲に聞こえる。S140をS141の様に弾ける人がいればいいのかも知れないが。私は一応コレクターズアイテムとしてPetrovさんのS140のCDを持っている(右上)。
S141のCDはいくつか持っているが第6曲に関しては左下のHamelinさんの演奏が好きだ。例によってスマートでスピード感に溢れている。特に第8-9変奏あたりのスピード感は凄くて、これ以外に考えられない。
後は知名度は下がるがS144 三つのConcerto EtudeとS145 二つのConcerto Etudeがあってどちらも良い曲。特にS144はどれも、Etudeという気がしない。右下はLortieさんのLiszt集でS144全曲が含まれる。

Liszt Opera Transcription

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今年はLisztの年と言うことで昨年のショパン程騒がれてはいないが、いろいろなLisztのCDが発売(再発売)になっていて、前から探していたBellucciのOpera TranscriptionのCDが再発されたので買った(左上)。MDTで12GBPだったので送料込1700円位。
LisztがOperaをPianoに編曲したものは、邪道な音楽と嫌う人がいるみたいだが、私は好きだ。Bellini, Mozart, Donizetti, Gounod, Verdi, Wagnarと色々あるのだが、悲しいことに、どれも元曲を聞いたことが無い。
BellucciのCDには私の好きなBellini/LisztのNormaの回想が入っていて楽しみにしていたのだが、たしかにいい演奏で、HamelinのCD(右上)に含まれるのと同じ位素晴しい。
HamelinのCDにはMozart/Lisztの『ドンジョバンニ』の編曲が入ってるが、これが豪華絢爛な実にいい曲でLisztの全ピアノ曲の中でもかなりいい曲だと思う。Hamelinさんの演奏は例によってスピード感に溢れてて完璧。
後有名なのは何だろう?Verdi/LisztのRigoletto, Wagner/Lisztの TristanとIsoldeから愛の死、Gounod/LisztのFaust Waltzあたりは左下のThiboudetのCD(左下)にDonizettiのOperaの編曲は右下のWolframのCD(右下)に入っている。
まあ、これ位持っていれば、概ね有名な曲はおさえられるだろう。

Bach/Liszt Piano Transcription

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私はBachのPiano Transcriptionが好きなのだが、今年はLisztの年と言うことでLisztの編曲を聞いている。Bachのオルガン曲のLisztによる編曲はPreludeとFugueが6曲(BWV543-548)とFantasieとFugue(BWV542)が一曲。まとめて録音したCDは余り無くて私は写真左上のLeslie Howardのものしか持っていない。
おそらく一番有名なのはBWV543でとてもいい曲だ。私も好きで、評判の良い別音源も最近買ってみた。それが写真右上のde la SalleさんのCD。二人の演奏を比べるとde la salleさんの演奏はやさしく滑らかな、ピアニスティックな演奏でこれはこれで良いのだが、やはりフーガはグールドのように推進力を持って弾いて欲しい。その点ではHowardさんの方が良いのだが、残念なことにテンポが揺れたりする。それに、私の好みだと、もう少し速く、弾かれた方がいい気がする(グールドのように)。
もう一つ私が好きなのはBWV542のフーガ。写真左下のFeinbergさんのCDに入っている演奏で気に入ったのだが、どうも普通の人より2割位テンポが速いようで、他の演奏を聞くと別の曲に聞こえる。フェインベルグさんの録音は古く音が悪いのでこのテンポで誰か巧い人が弾いてくれないだろうか?
残りの曲では他の人のもっと良い編曲が有ったりするのだが(BWV548とか)、BWV546はいい曲で好きなのだが他の編曲が無い気がする。
写真右下は出張でシベリアに行ったときに買ったバッハのオルガン曲が6時間分位MP3で収録されたCD。編曲元になった曲が入っている。Walchaの有名な録音で300円位だった気がする。オルガンの演奏は当時と同じわけなので、昔の人がバッハのオルガン曲を聞くとどういう感じだったのだろう?

A. Scriabin のピアノ音楽

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白馬のシンポジウムの講師の人がピアノを弾く人で、休み時間に弾いていたのが私の愛してやまないスクリアビンのFantasie Op.28だった。それ以降、Scriabin の音楽を良く聞いている。
Scriabinはそこそこ有名なので、少しピアノ曲を聞いている人なら必ず知っていると思う。ロシアの作曲家で、モスクワ音楽院でRachmaninoff と同級だから、ロマン派の後半から近現代への移行時期にあたる。曲もまさしくそういう感じで、作品番号の若い曲はショパン的で、作品番号30番あたりから徐々に現代曲風に怪しげになって行き、
作品番号60番位からは完全に暗い現代曲といった趣になる。
私は調性感の怪しい暗い現代曲にはまだまだついていけない、DeepでないScriabin好きなので、初期から中期の曲が好きだ。特に好きなのは上記Fantasie Op.28と8つの Etudes Op.42 の5番。
どちらも、この世の全ピアノ曲中でも指折りの必殺とも言える美しいメロディーがあらわれる。『もしもピアノが弾けたなら』という歌が有るが、わたしならこの幻想曲が弾けるようになりたい。他にも、ソナタ2-5番、練習曲Op.2-1, Op.8-12、24の前奏曲集Op.11などわりと有名な曲も多いが、余り知られていない曲で私が好きなのがWaltz Op.38で、これも、Scriabin らしい、非常に美しい曲。
写真は私の持っている CD で、左上が M-A. Hamelin のソナタ全集(Fantasieも含まれる)、右上が P.LaneのEtude全集。このあたりが、Scriabinのピアノ曲入門編。これらに、ホロヴィッツのScriabin集あたりを加えれば普通は十分だろう。私のようなコレクターに有り難いのは左下のLettbergのpiano曲全集。8枚組で、作品番号のついた全てのピアノ曲が収録されている。
一曲だけ有るピアノ協奏曲Op.20も非常にいい曲でAshkenazy(右下)などの演奏が有る。
滅多にコンサートで弾かれることは無いが、私は一度だけ聞いたことがある。あまり、コンサートに適した曲でないように感じた記憶が有る。

A. Gorlatch ピアノリサイタル

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El Bachaとセットで買ったゴルラッチのコンサートに行ってきた。一階の最後部のB席で2000円。客の入りはエルバシャと同じか少し少ない位で多分300人位だろう。1500円にダンピングした効果は余り無かったようだ。

プログラムはショパンの年ということもあってオールショパンで、
Op.69-2 Waltz No.10
Op.18 Waltz No.1
Op.60 Barcarolle
Op.61 Polonaise-Fantasie
--- Intermission ---
Op.67 4 Mazurkas
Op.68 4 Mazurkas
Op.38 Ballade No.2
Op.31 Scherzo No.2
--- Encores ---
Op.10-4 Etude
R.Schumann Op.12-4 Fantasiestuck - Traumes Wirren

若干つまらないプログラムだ。遺作のワルツやマズルカをどうしてわざわざ選んだんだろう?それに、短すぎると思う。普通に弾いたら1時間位しかかからない。

ゴルラッチさんは浜松のチャンピオン。その前がショパンコンクールに勝ったブレハッチ、その前がガヴリリュクだから、当然外れは無いだろうと期待していった。
初めて聞いたのだが、指回りも良くて、メカニックは問題なし。弱音が綺麗で絶対に激しく鳴らしたりしない。繊細で少し線が細い感じか。表現は結構つける方で、テンポの揺れは大きめ。その、ゆれる感じが私の好みとは残念ながら外れている感じで、特に全ての曲のスローパートで結構違和感が有り残念だった。このへんは好みの問題なので仕方ない。舟歌なんかもテンポのゆれのフェーズが終始ずれている感じだった。本割り最後の二曲は素晴らしくて、特にバラードの最後の畳み掛けるところがかなりのスピードだったのに全く乱れなくて、さすがと感心した。多分今のエルバシャさんでは、もう歳だからこうはいかないだろう。
せっかく、このメカニックだし、練習曲のCDも出してるんだから Mazurka の代わりに練習曲だったら良かったのにと思っていたら、アンコールで一曲弾いてくれて、これもまた素晴らしかった。それだけにプログラムが残念だった。

A.R. El Bacha ピアノリサイタル

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エルバシャのコンサートに行ってきた。

ソナタ8番『Pathetique』
ソナタ21番『Waldstein』
-- 休憩 --
ソナタ14番『Moonlight』
ソナタ23番『Appassionata』
-- アンコール --
El Bacha マリー
El Bacha バッカス

ベートーベンのソナタばっかり4曲といういささかうんざりするプログラムだったが、セット券だとB席2000円と安かったので。
客の入りは一階の半分は埋まっていないという感じで、300-400人と言うところ。El Bachaさんはかなり名の知れた人だが、それでもこの位しか入らないと言うことか。
El Bachaさんの演奏は初めて聞いたが、けれんみの無い落ち着いた演奏で、派手さは全く無い。スピードも余り走ったりしないし、疾走感の有るところでも、拍の入れ方に特徴が有るのか、全くスピード感がなく、たまにいらいらする。『Appassionata』の終楽章も全然加速していかずきっちりとテンポを守る感じで、全然脈拍が上がらない。でも、それが退屈かと言えばそんなことは無く、実に良かったと思う。この4曲の中では一番良かった。
アンコールは二曲とも自作の曲でともにチャーミングでセンスのいい曲。アンコールピースとして最適。

Schumann 交響的練習曲 Op.13

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先日他人の車に同乗する機会が有り、そのときダッシュボードにシューマンの交響的練習曲のCDが有ったので、話を繋ぐために『シューマンのピアノ曲の中では交響的練習曲が一番好きなんです』的な話をしたのだが、私がシューマンを聞くのが許せなかったのか、全く信じてもらえなかった。まあ、しかたのないことだ。
シューマンの曲はまとまりの無い精神分裂的な曲が多くて余り聞かない。比較的良く聞くのはOp.17のFantasieとこのEtude Symphonique。Variation なので当り前ながらまとまりの有る曲になっていて、シューマンらしい極度に甘いメロディーも楽しめる。オリジナルはテーマと9つの変奏、2つの練習曲とフィナーレからなっているのだが、5曲の遺作が有って、ほとんどの演奏者が適当な場所に挿入して演奏する。私はこの遺作つきの演奏が余り好きでない。似たような曲も有るし、ほとんどの場合、曲にまとまりが無くなって来て、精神分裂的になって来るから。特に、何処かで遺作を5曲まとめて挿入とか言うのはやめて欲しい。
オリジナルの中では最後の極度にロマンティックな変奏が好きでこれをつまらなく弾かれるとがっかりしてしまう。次のフィナーレは実にチープな曲で最終変奏の余韻をかき消されてしまうから全然好きじゃない。だから、大概聞くときはこのフィナーレのところで止めてしまう。
余り、同曲のCDを持っていないのだが、何故かこの曲は6種類も持っている。その中で遺作が入っていないのが左のPogorelichと右のHamelin。Pogorelichは極度に緊張を強いられる演奏で、Hamelinは洗練された癖の無い演奏。どちらかと言えばHamelinだが、フィナーレはHamelinが曲のチープさがそのまま出ていてつらいのに対し、Pogorelichの方が格調高くてまだ聞ける。

中野翔太ピアノリサイタル

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B2GM の最終日にあたっていた talk をして、午後時間が開いたのでノバホールに中野翔太さんのピアノリサイタルに行ってきた。中野翔太さんのおとうさんは私と同じく物理屋で岡山大の先生。私はFermilabにいたとき岡山の学生の解析の相談にのってあげたりしていたのだが、その時ときどき出張で来ていたらしい。らしいと言うのは、当時翔太さんがジュリアードにいたころで、出張に来ても暇を見つけてはと言う感じでニューヨークに行ってしまうのでほとんど顔を見ることもなかったのだ。
話がそれた。
プログラムは前半がシューマンの交響的練習曲、後半はデュティユーのソナタとショパンの小曲というもので、中々良い。シューマンのピアノ曲は精神分裂的なのが多くて余りついていけないのだが、交響的練習曲は好きだし、つくばの田舎でDutilleuxのソナタを弾こうと言う気合いがいい。ショパンの小品の中にも私の好きなノクターンの13番があって、中々のヒット率だ。
当日券A席2000円を買って入ったのだが驚いたことに一階席が8割くらい埋まっていた。
交響的練習曲は遺作を勝手に挿入するのだが、第3変奏と第9変奏の後に一曲ずつ挿入されていた(と思う)。曲の流れも壊さないうまい入れ方だと思った。演奏の方はわりと淡白にサクサクと弾く方だと思った。結構良い演奏だと思ったがフィナーレで多分暗譜がとんで大事故寸前だった。こういうのは心臓に悪い。
休憩後のDutilleuxは良かったと思う。結構、リズムを刻む感じで弾くので複雑な曲が結構わかりやすく、乗りも良くなる。本人もシューマンよりはこっちの方が好きな曲なんじゃないだろうか?でも、曲を全く知らずに聞きに来た人には辛かったかも知れない。
ショパンは曲がプログラムと変更になって、私の好きなノクターンが割愛された。残念。
Dutilleuxが良かったので、これからも、有名曲だけでなく余り知られていないピアノ曲も演奏する人になって欲しい。

後で気付いたがシューマンのフィナーレはよく聞く物と別の版なのかもしれない。確か改訂が何度かなされているはずなので。勝手に大事故だと思っていたとすると申し訳ない。

ショパンコンクール 2010

今年はショパンの生誕200年記念なのだがちょうど5年に一度のショパンコンクール(16回目)をやっている。
コンクールのweb siteに行くと、ライブストリーミングが有るので、国際会議のスライドを作るBGMにしている。
今は、1st Stageの最中で、一人20分くらいの持ち時間で変わるがわる似たような曲を弾いていく。ショパンの曲しか弾けないし、指定されている曲が少ないのでしょうがない。
私の大好きな、Nocturne 13番 Op.48-1を選んでくれる人が何人かいる。この曲は夜想曲と言うよりはBalladeみたいなのだが、前半はしっとりと、後半は情熱的に、メロディーを歌い上げないといけなくて、歌い方は好みも入るので満足いくものは少ない。
岩崎洵奈さんの演奏は生で聞いたときは情熱的でいいと思ったのだが、聞き返すと、やや荒っぽく雜に聞こえる部分も有る。Rashkovskiyさんの演奏は逆に生で聞いたときはつまらなかったのに、聞き返すと、悪くない。私くらいの耳だと、客観的判断は難しいということか。

CD Hamelin Etude と Bach Piano Transcription 9

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最近買ったCD。MDTのセールで買ったので円高も手伝って一枚1300円くらい。
Hamelin の全ての短調によるEtudeのCDは多分ピアノ音楽マニアなら、出て欲しいと願っていたものだと思う。全12曲の内、7曲はこのCD以前に手に入ったので、新しい分は5曲。新しい曲の中では、AlkanのOp.76-3とOp.39-7を混ぜ、Op.39-12が出てくる4曲目と、その次のToccata Grottescaが気に入った。後者はRachmaninoffのPrelude Op.23-5に雰囲気が(あくまで雰囲気だけ)似ている感じがしないでもない。新曲じゃない方も、全ていい曲だと思うが、Rossini-LisztのLa Danzaの編曲はあまりにかっこいいので、もはやこれでないと物足りない感が有る。
これら12のEtudeもいいのだが、併録でこっそりと、私の愛聴曲Pergolesiの Se tu m'ami の編曲が入っているのが嬉しい。元曲のメロディーがいいのにHamelin的なハーモニーが加わって実に魅力的だ。現代曲でないとこの美しさは味わえないだろう。
右側はBach Transcription シリーズの9番目。英国の作曲家による編曲集らしいのだが、地味なChoralの編曲が中心で余り印象に残らない。一曲だけR.Stevenson編のChoral BWV478はいい。結構豪華な編曲で、ひたすら地味な同録のBridgeの編曲とは同じ曲と思えない。
Hyperion のBach Piano Transcription シリーズもずいぶん伸びているが、最重要な Godowsky の編曲が抜け落ちている。Hyperion GodowskyとくればHamelinなのだが、録音してないところを見ると余り好きではないのか。

CD Hyperion の Bach Piano Transcriptions シリーズ

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私はBach の Piano transcription が好きなのだが、Bachのピアノ編曲はたくさん有るので網羅的に集めようとすると大変だ。Hyperion の bach Piano Transcriptions シリーズはなるべく抜粋にならないよう全集的に作られているので私のような人にとっては有り難い。シリーズは今のところ9までのびていて、私は買い始めて4で追い付き、それからは発売と同時に買うようにしている。写真はシリーズの1,3,4,5で、1と2がBusoni, 3がFriedman, Grainger 他、4がFeinberg, 5がKabalevsky, Catoire他。
聞いていくと自分の好みがわかって来るのだが、私はフーガが好きなようだ。それにつられて xxxxとフーガというのが好きになるようで、反対に、Choralとかカンタータとかの編曲は余り印象に残らない。
好きな曲をあげて行くときりがないが、Busoni編のBWV552 聖アンのPreludeとFugue, Feinberg編のBWV548 PreludeとFugue, Kabalevsky編 BWV538 ToccataとFugue 'Dorian', Catoire 編のBWV582 Passacaglia and Fugue 等々どれも、ピアノ曲として魅力的なのだが、驚くほど音源は少ない。

CD Piano at the carnival と 1001 nights

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先日、サイクリング中に真壁でそば屋に入ったら、おそらく有線放送で聞き覚えが有るピアノ曲が流れていた。最近買ったCDに入っている曲だろうとおもったら写真左のCDに入っている曲だった。
このCDは前にも書いたKhachaturianの仮面舞踏会組曲全5曲のピアノ編曲が入っているので買ったもの。Waltz程ではないが残りの曲も悪くは無い。そば屋でかかっていたのは3曲目のMazurkaだった。CDには世界初録音と書いて有るのでこのCDだったのだろう。演奏はGoldstoneさんで、いい演奏だと思う。Waltz もこっちの方が断然いい。
スケートつながりで、写真右はOender姉妹によるピアノデュオのCDでRimsky-Korsakov の Sheherazade の編曲が目的で買ったもの。シェーラザードは安藤美姫さんが使っていた。初めて聞いたけどいい曲だ。

CD Bach D'Albert Piano Transcription と Godowsky Walzermasken

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最近買ったCD。
左はHyperionのBach Piano Transcription シリーズの8番目で D'Arbert。Bachのオルガン曲のピアノ編曲。ライナーによるとBusoniと同時期に活躍していたそうで、SimpleでBusoniとは正反対の編曲。良かれと思ってやったのだろうが、出来上がった編曲はかなり地味。例えば、BWV582 Passacaglia はCatoir、BWF538 Toccata and Fugue 'Dorian'は Kavarevsky、 BWV532 の Prelude and Fugue は Busoni のそれと比べると貧弱。たまに、音が少ない分、フーガのスピード感などにいい点を見出すことも出来るが。。
右は Marco Poloで続いている Scherbakov の Godowsky Piano Music シリーズ 10作目は Walzermasken(仮面舞踏会)。Waltz好きのGodowskyが作った24曲のワルツ集。最後にSymphonic Metamorphosis on Kunsterlaben(Straussの芸術家の生涯による交響的変容)が入っている。豪華絢爛でStraussのピアノ編曲のなかでは最高級のものだと思う。演奏は、若干ぎこちないか? まあ、Godowskyの難しい曲を音楽的に弾ければそれだけですごいのだが。

Tchikovskyのピアノ曲

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先日人の車に乗せてもらったらチャイコフスキーのピアノ曲がかかっていた。もう覚えてないがValse-Scherzo かなんかだ。TchaikovskyのPiano曲ってたくさん有るのだが、あの有名なピアノ協奏曲に比べると良く知られた曲は余り無いからそれほど聞いたことあるひといないんじゃないだろうか?(ちなみにピアノ協奏曲2番もいい曲です)
かく言う私もそれ程たくさん聞いたことが有るわけではないが、いい曲はたくさん有って、なかでも哀しげで美しいバラードと言った感じのOp.59 DumkaとOp.72 18の小品のMediationが好きだ。写真左のチャイコフスキーコンクールで優勝した上原彩子さんのデビューCDに入っている。
あと、オリジナルではないがチャイコフスキーの編曲物も有って、ピアノ好きなら避けて通れないのがPletnev編の組曲くるみ割り人形だろう。この中の Intermezzo と Pas de Deux が好きで、特に後者は名ピアノ曲と言っていいと思う。写真右が編曲者プレトニョフの演奏の入ったCD。残念ながらもう売ってない。
他の編曲物だと、Grainger編の花のワルツ、Feingerg編の悲愴交響曲のScherzoは華麗なピアノ編曲なのでピアノ音楽好きなら聞いて損は無い。
プロフィール

light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと

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