30th Belle2 General Meeting

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今日から B2GM。元々は Belle2 Open Meetingと呼んでいたと思うが、データも取り出してもはや Open では無いと思われる。
データを取り出して初めてのB2GMだからか、参加者が多く Plenary は小林ホールに人があふれる。参加者は驚くことに300人弱。
特に新しい話は無いが、加速器は順調に調整が進んで、電流で normalise すると、目標の Luminosity まであと少し(10%位)のところまで来ている。ここまできたなら、データを取っている状態で入射するいわゆるContinious Injectionを試して、PXDのGated mode(Injctionしているときだけデータを読まないようにするモード)がちゃんと動くか試して欲しいところなのだが、Phase2が終わるまでに試せるかは微妙。

午後からはECLのParallel。
一時期よりずいぶん人が減ってしまって若干寂しいが、データの解析がずいぶん進んでいる。今一番注目なのは加速器由来のバックグラウンドで、色々なデータの解析結果が出ているのだが、まだちょっと理解が進んでない気がする。未来の話だと、記録されたwaveformを解析してPIDをしようという野心的な解析があって、実際にe/piが分離できているのが凄い。

B2GMは金曜日まで続く。

前方エンドキャップを後退させるためのTaksforce

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前方のエンドキャップをinstallしたときにはCO2の配管とあたってしまって往生したがPhase3では今あるのの10倍の量のケーブルが通ることになって、今のままの隙間では無理だという話になっている。予定していたよりも困難だったというのもあるが、実測した隙間が図面より2mm位狭かったのは想定外だった。
で、endcapの取り付け位置を後退させようという議論が起きていて、行きがかり上私も議論に加わっている。本来は今のまま入るように内側の方を作るのが正しいと思うのだが、もはや私以外は下げるのやむなしで固まっていて、仕方ないので5mm後退させるというのは泣く泣く呑むことになった。
エンドキャップをバレル部に取り付けている金具は写真左のもの。右側の金具がバレル部についていて左側がエンドキャップについている。隙間があるところが接合部でこの写真で見ればエンドキャップは上の方についていて下側に動くことになる。
なので、隙間を増やすには、接合部にシムを挟むか、左側の金具の写真で見て上の部分を削るかということになる。一見シムを挟むのが簡単そうだが、7tあるエンドキャップをシムを挟んで固定するのが不安なのと、毎年のように外すときにいちいちシムを気にしないといけないのが面倒なので、金具を削る方を検討している。
問題はアラインメントで、この金具を外してしまうと、アラインメントは失われるので、次に取り付けるときにまた苦労して位置合わせをしないといけない。しかも、前回測量器を置いた場所はもう使えないのでどうやって測量していいのか想像もつかない。
前途多難。

SuperKEKB 真空焼き 100Ah 到達

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SuperKEKB が phase2 運転を開始して、もう、2ヶ月近い。先日初衝突があって物理ランもとってはいるが、当初の予定として、物理ランを始める前に十分な真空焼きを終えることとなっていた。
SuperKEKBではビームパイプの大部分を新たに作り直しているので、運転開始の時点では真空が悪く、ビームパイプ表面からビームにより叩き出されるガスによるバックグラウンドが多い。表面はビームを蓄積することにより焼かれてだんだん綺麗になっていくのだが、この目標が 100Ah。
この目標に週末の間に達成したようだ。
現在は昼間は加速器の調整のために使い、深夜はなるべく電流を貯めて真空焼きをするというスケジュールで運転されているのだが、真空焼きが進んだので、これからは徐々に物理のための運転を深夜にするという方向に転換していく。
まだ、ビームの寿命が短いとか、思ったよりバックグラウンドが多いとか、物理セッティングのコリメーター(マスク)の状態では入射出来ないとかいろいろ問題は有るのだが、徐々にBelle2でデータを取る時間が増えていくと思われる。
ちなみに今はビームを絞っていく途中の段階で、phase2の到達点より3-4倍大きいbeta*(6-8mm)で運転していて、Luminosity はseveral x 10^32位。これは概ね予定通りらしくて、beta*を予定の2mmまで絞れば、Phase2の目標の10^34 にたどり着けるそうだ。

Belle2 Phase2 初衝突イベント (First Collision Event)

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夜の10時少し前にこれから最初の物理ランをやるという連絡が入ったので筑波に見に行ってきた。
それまでは、CDCの電圧を下げて運転し、ビームの位置をスキャンして、当たる位置を探していたのだがおよそ当たる位置は分かったので、一旦ビームをずらし、今度は Belle2の方をCDCの電源も上げてデータが取れる状態にしてから、ビームを当てていく。
Luminosity Monitorの値が上がるので、衝突して少なくとも超前方へのeventが起きているのは分かっているのだが、トリガーの調整がまだできていなくて、ゴミばっかりが見える。いろいろとTriggerの設定を変えながらEvent Display にいい event が来るのを待っていたら、日付も変わって0時38分頃、誰が見てもゴミじゃない綺麗なイベントが出た。
一旦 event display を止めて、スクリーンショットを取り、現場にいた人たちで吟味したところ、back-to-back に複数 track が出ていて、電荷も運動量/エネルギーもバランスしているし、Light quark eventでまあ間違い無いでしょうということで、これを初イベントに認定した。
写真はBelle2のコントロールルームでそのevent displayを見ながらみんなでひとしきり盛り上がっているところ。
この event が含まれる run のデータは、直ちにコピーされて再処理できるようになったので、急いで、calibration して、公式なリリースを出すときにはもう少し綺麗な状態にされると思う。
ちなみに、このDataをとっているとき、Luminosityの値は 0.03 /nb/sec 位。Hadron event 全体で 5nb 位あるので0.1 Hz、10秒に一回くらいは起きてるはずという計算になる。もっともLuminosityの値の絶対値がどのくらい正しいのかは不明。Hadron Eventよりもっと断面積の大きいBhabhaはなぜ見えないのかは不思議なのだが、ECLのエネルギーがおかしいのかTriggerのせいなのか、ちょっと調査が必要。
Phase2が始まってから、本当に順調に加速器が立ち上がっていて素晴らしい。加速器の人に感謝感謝である。


Belle2 運転開始生中継

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加速器が衝突用のOpticsに移行してしばらくたつ。今のところは衝突しないような場所にビームを入れて調整しているのだが、調整も進んで、もうすぐ衝突へ向けた調整(Collision Tuning)が始まろうとしている。
で、この記念すべき初衝突を生中継しようというイベントが行われるらしい。
詳しくはここにお知らせがのっているが、Belle2と加速器の運転の状況が分かる画面と、Belle2のevent displayが20日から生中継されるらしい。
写真は先日機材の設置があったときの様子で、右の写真の大きなディスプレイに写っている物に、コントロールルームの映像がスーパーインポーズされた物が放送されるそうだ。
最初のイベントといっても、どう定義するかよくわかって無いので、それらしい event が来たら、誰かがこれにしようとか言って決めるのだろうか?

SuperKEKB Beam を絞り始める

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加速器が3月19日にSuperKEKBに入射をして運転を開始し、いわゆる Phase2 が始まってからもうすぐ4週間。順調に両リングにビームが蓄積されて各種の調整が行われている。
これらの調整は本来のSuperKEKBの絞られたビームではない、Detuned Opticsというので行われていて、これを、Phase2.0と呼んでいる。どれくらい絞られてないかというと、Beta_y が80mm位あるので300倍とかそれくらい大きい。
この、Phase 2.0 のopticsでの調整も順調に進んだので、最近 Phase 2.3 と呼ばれる、かなり絞られた、衝突用の optics に移行しようとしている。Phase 2.3 では最終目的の 8倍 の2.4mmまで絞る。これで、安定にビームがまわり、衝突が出来れば、合計1A程度の蓄積ビームで Phase2 の目標の1x10^34位に達することになる。
左の図は両リングのビーム電流の図だが、電流の高いところと低い所があるが、それは、昼間人が働いているうちは、絞ったビームを回そうとし、夜間はDetuned optics に戻して、電流を蓄積し、真空焼きをしているから。まだ、絞ったopticsではうまく入射出来ないようで、もう少しだけ大きいbeta(20とか)で走っているようだが、順調に調整は進んでいるようなので、初衝突も近づいてきているという感じ。

on-call用携帯電話 (3) Android 8 oreo

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試用中のoncall用のスマートフォンを使っていたら、software update という通知が来て、Android8にしろという。しばらくは、無視して、通知を消そうと頑張っていたのだが、なかなか消えてくれない。
仕方ないので、update してみた。
二度ほど再起動があった後、無事 Android 8.0.0 になって立ち上がった。あまり変わったところは無い気もするが、background process が通知されるようになって、Anti-virus が走っていると通知されるようになった。タップしてもApp Menuが出るだけでどうしようもない。
あと、Andorid Assistant や Taks Killer の類が使えなくなった。
まあ、Google様に逆らうのは大変だし、しかたないと諦めることにしよう。
大体使い方もつかめてきたので、何人かの人に使ってもらい、もうしばらくテストする。

on-call用携帯電話のセットアップ

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on-call用のスマートフォンは何人かの人に試用してもらいながらセットアップしている。
googleのアカウントを作ったら、メッセージングのアプリを入れる。
偉い人の言いつけに従って Whatsapp と LINE と Skype を入れてみた。ようは端末間でVoIPの通話とチャットが出来れば良いようなのだが、そういう意味においてはこれらのアプリは同じに見える。
どれもにているのだが、設定の替え方が分かりにくくて困るのと、入れたままの状態だと激しく広告やら優良サービスへの誘導が表示されるのが邪魔でしょうがない。特にLINEは凶悪で、良くも皆さんこんなのを使っていると思う。
その後、ちょっとだけ使ってみたのだが、ますます同じなので、とりあえず一番使っている人の多いSkypeだけで始めればいいのでは無いかと思い始めた。

メンテ日 入域作業

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木曜日は隔週で加速器のメンテ日に指定されていて、基本的に運転を休んで、加速器を止めないと出来ない作業をまとめてやることになっている。
Belle2側も、運転中は検出器に近づけないのでこの機会に問題があるところを直しにいく。
こういう、短期間の休止の時には Limit Mode というのに加速器の state が代わり、あらかじめ登録しておくと入れてくれる。安全のため作業は複数人でやって、必ず一人は日本語を話せる人がいるべしとなっているので、仕方なく付き添いで入る。
ただ作業を見守っているだけでは退屈なので、門型シールドの上からBelle2を撮ってみた。右上が前方側、左上が後方側で、ラックの中のエレキを触っている人が作業中の人。トリガー信号にノイズが乗るので調査しているところ。結局原因がトリガーモジュールでは無くてそれより上流の検出器側にあることがわかったらしい。
下段は作業のために入った人の持ち物。作業現場に入るときにリュックサックを使うのは危険なので、持って入らないように指導するのだが、言うことを聞いてくれない。背中に目があるなら別だが、そうじゃないなら現場で背中に物を背負うのは引っかかる恐れがあるので危険だ。しかし、なぜか欧米の人はリュックサックが大好きで、いくら言っても聞く耳を持たない。

Belle2 Japan 総会@東京理科大

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東京理科大で物理学会をやっているのだが、どういうわけか開催期間4日のうち3日Belle2のシフトに当たっていて不参加。
と思っていたのだが、深夜シフト明けにプログラムを見ていたら、Belle2Japanの総会があるのを発見してそれだけでも参加することにした。
東京理科大は初めてだったが案外近くて、つくば駅から1時間以内でたどり着ける。
総会だが、毎回学生グループの報告があって学生数の統計を見せてくれるのだが、それによると、Belle2の学生は最大40人程度。最大と書いたのは関わりの薄い人もはいっているからで、実数は30人程度と思われる。博士への進学率はとても低くて2017年のM215人のうち、葉加瀬課程に進むのは3人だそうだ。ちょうど実験が始まるところで、真新しいデータで論文が書ける年なのだが残念。
Belle2が開始するにあたって、もう少し日本国内の実験へのコミットメントを上げようという議論があって、解析もそうなのだが、参加者数に応じて各国に割り振られるシフトの日本の充足率がとても低いらしい。安全シフトはKEKの人しかとれないので、必然的にDAQのシフトは大学の人が中心になってしまい、国内出張だと授業の関係もあって来にくいという事情はあるのだろうが、やはり、大学の皆様が気合を見せてくれないと盛り上がらない。
毎年恒例のFlavor Physics Workshopという勉強会だが、今年は東大が幹事で、東大近傍でやろうとしているらしい。温泉旅館は宿泊費が高くて会議室のクォリティーが低いことが多いので、いい施設なら東大近傍でも問題無いとは思うが、通いになると、勉強会の機能が少し低下する気はする。どうなることか。

SuperKEKB 電子 Beam 入射開始

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今日からいよいよSuperKEKBに入射開始。最初は電子ビーム。
色々細かな問題があったようだが、夜になって無事入射できるようになり、ビームは回ったそうだ。
図は、Belle2の衝突点周りに置かれた Radiation Monitor (Beast2) の信号の様子。ビーム起因の信号がちゃんととらえられている。
今日はRFがoffなので、入射された粒子はエネルギーを失い、20周くらいで消えてしまう。
明日RFを入れて周回させ、Beam orbit/Opticsの補正などがあって、いよいよ蓄積へと向かう。

SuperKEKB/Belle2 Phase2 運転準備完了

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前方側のシールドの作業が終わってから漏水の問題があって2週間ほど遅れたが、後方側のシールドも閉じて、これで運転の準備が整った。
今日は放射線管理区域をリミットモードにして運転開始前のパトロールがあったのだが、安全シフトということで駆り出された。最後にもう入れなくなるB1回廊に入れてもらい、写真を撮ってきた。
聞いて分かったのだが、リミットモードの時はB1回廊の加速器側には入れない仕組みになっているので、これから夏休みまではこの写真の景色はみられないということのようだ。
加速器は明日からBTの調整に入り、SuperKEKBへの入射は月曜日に開始される予定。

ピクチャーレール設置

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筑波F1の展示を改善するよう命じられているのだが大したことはしていなかった。
一応皆さんには方針は伝えてあって、とりあえず一旦過去の展示は減らして行ってBelle2関連の展示を増やそうというのがアイディア。いつまでも、ノーベル賞の展示ばっかりで、Belle2の事がわからないのは良くない。
手始めにF1のホール側の欄間に飾ってあったパネルを外して、写真を展示できるようにすることにした。
で、写真を飾れるようにピクチャーレールを設置する。
ピクチャーレールも買えば良かったのだが、ちょうど向かい側の展示に使えない位置にピクチャーレールが設置してあったので、それを剥がして移設することにした。
ピクチャーレールを設置するのに使うのは左上写真のエビモンゴ石膏ボードアンカーというもの。レールをあてがって穴の位置をケガき、ドライバーでグリグリとねじ込んでいく。パッケージには下穴不要と書いてあるが、アンカーの先端はそれほど固くないので下穴をあけた方がうまく行く。ねじ込んだ状態が右上の写真。この『+』がたの凹みにセルフタッピングのネジを打つことになる。
で設置した後の様子が下の写真。
大した作業では無いのだが、一人でやるのは結構大変。長いレールを支えてくれる人がいないので往生した。
とりあえず、ほぼタダでピクチャーレールは設置できた。

架橋延長ブロックとポリエチレンシールド設置

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明日から門型シールドを設置する作業が始まるので、それに備えて架橋とBelle2の間を埋めるコンクリートシールドとポリエチレンシールドを設置する。
一段目左はコンクリート塊を置くための棚を設置している所。コンクリートの塊(一段目右)は2t位だっただろうか?すき間が狭いのでクレーンの操作に気をつかう。
棚に載せたら、金具で架橋に固定(二段目左)。吊り具の穴と固定の穴が同じなのでクレーンで吊りながら位置調整できない間抜けな設計。
コンクリートがついたら、ポリエチレンシールド。上半分は既についているので下側二枚だけ。特に問題もなく設置完了。
明日から5日かけて門型のコンクリートシールドが設置され、Belle2/SuperKEKBは完成ということになる。
私の仕事もこれで終わり。

後方側エンドヨーク閉じる

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窒素の配管作業も無事終わったようなのでヨークを閉じる。
左上は足場をばらしてキレイにした所。最近は安全の意識が高まっているのですぐに転落防止柵を取り付ける(右上)のでこういうキレイな状態の写真が撮れるのはほんの数分だけ。
午後一でヨークを閉じたのだが、加速器の人の要請で閉じていたB側のヨークを少しだけ開けてから閉める事になった。左下の写真は両側が中途半端に開いている状態の写真。
無事ヨークは閉じて(右下)、夕方からはソレノイドも励磁されるはず。
架橋とヨーク間のコンクリートシールドとポリエチレンシールド下部の設置は木曜日。その後、門型シールドの設置に移る。

後方側QCS/VXDベローズ漏水問題

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昨日後方側のヨークを開けた理由となった後方側のQCSとVXDを接続するベローズの冷却配管からの漏水問題。
漏れた箇所は後方側QCSを前進させたときにフランジと干渉し交換した冷却水配管部分と推測される。
左上の写真は配管を交換するためVXD側のフランジを外した状態のベローズ。上方に4本配管が出ているが、これと同様に下側にも配管が出ていて、この写真を撮ったときには交換するために外されている。おそらく漏れたのはこの配管のベローズとの接合部。右上はこれも交換前に撮った写真で、黒いカバーに被われた配管が右下の方に伸びている。漏水センサーはメッシュ状になったケーブルで、穴のたくさん空いた円形のリブに沿って配置されているので、漏れた水が写真中央下部あたりに貯まって、漏水センサーに検知されたのだと想像する。
なぜ漏水が起こったかは良くわからない。当たり前だが、配管を交換した時に、一晩かけてリークテストをしていて、問題が無かったことは確認されている。
ここで漏水していたとして、漏水箇所を修理するには一旦QCSを後退させないといけなくて、そうすると、最低2ヶ月くらいは予定が遅れる。いろいろ対策が考えられたのだが、幸いなことにベローズでの発熱量は10-20W程度ということで、少し冷した窒素を代わりに流しても冷えそうだということが分かり、QCS再後退は回避された。
左下はエンドヨークを開放して昨日撮った写真で、分かりにくいが、奥の方から黒いカバーに被われた配管が出てきて、写真中央部で別の銅配管(黒い被覆がある)に接続されている。その銅はいかんはケーブルガイドを通ってぐるっと上の方にまわり、右下の写真に移っている銅の配管に更に接続され、冷却水のマニホールドへとつながっている。
今後は結露防止にこの銅配管に断熱処理をしたり、流す窒素の準備が行われ、窒素循環の試験をしたのちヨークを閉じて、先週末の状態に戻ることになる。約2週間の遅れというところか。

後方側エンドヨーク開け

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14日にBelle2が完成し、素粒子センターシンポジウムでも完成を報告してきたところなのに問題が出て早々とエンドヨークを開ける。
既に、架橋とヨークの間を埋めるコンクリートシールドが設置されていたので、それを撤去(一段目)。
次に後方A側だけヨークを開ける(中段)。その後、QCSの先端部にアクセス出来るよう足場を設置。最近は安全を気にしているので豪華絢爛に、安全に快適に作業できるようにする(下段左)。
下段右は後方側の今の様子。右側だけヨークが開いているのが分かる。

今後、今週いっぱい作業があって、ヨークを閉じるのは来週。

前方側シールド作業

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出張から帰ってきて筑波に様子を見にいくと前方側のシールド積みがずいぶん進んでいた。
小さい写真では分かりにくいが、一番Belleに近い部分の門型シールドが新しくなっている。
右上の写真はシールドの中からBelleを見た写真だがBelleが見えないくらいコンクリートが積まれている。これくらいしないとホールに中性子が出てくるということらしい。
後方はまだやっていないので右下の写真を見ると違いが分かる。

ポリエチレンシールド取り付け

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引き続きポリエチレンの遮蔽体を取り付ける作業。
Belle2的にはあまり必要ないと思うのだが、外部へ中性子が漏れるのを防ぐ意味があるのだと思う。
10cmくらいの厚さのポリエチレンの板をエンドヨークの形に合わせて加工してあるのを、クレーンで吊ってポルトでヨークに貼り付けていく。
左下は最初の一枚を設置した所。Belle2のエンドヨークと加速器が設置した架橋を延長するコンクリートシールドの間に5cmほどの隙間がある。この方向には何もないのでそのままB4の床に当たり、更にその床からA側には何も遮蔽体がないので、心配。しかも、架橋の下からA側に進んで、放射線管理区域を出た所に、エリアモニタがあるので、結構鳴ってしまうのではという気がする。

エンドヨーク閉作業 (2) B側 Phase2 検出器完成

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昨日に引き続きB側のヨークを閉める(一段目)。
閉まったら、一応ヨーク間の隙間を測る(二段目左)。二段目右の写真は最後に閉めた後方B側を閉めているとき。このハンドルを回していってヨークが閉まり切る。例によって職権を乱用して、最後は私がハンドルを回してヨークを閉める作業を完了させた。
三段目はヨークが閉まった状態の前方(左)と後方(右)。後方は舟のすぐ後ろのBending Magnetの間から撮ってみた。
ヨークが閉じたのですぐにソレノイドを励磁する。4段目左はソレノイド電源の表示パネルで4096Aが定格でこれで1.5Tかかっている。
B3のコントロールルームでは磁場がかかった状態でデータを取ろうとたくさん人がいて、いよいよ実験が始まるという雰囲気がある(4段目右)。

ヨークが閉まって、Phase2の検出器は完成と言って良い。誰も言ってくれないので私がここで完成と宣言してしまう。
数々の困難があったが、無事ここまで来れて肩の荷が下りた。
誰も祝ってくれないので、シャンパーニュでも開けてこっそりとお祝いでもしよう。

明日からはシールドを設置したり、実験室を整理したりという作業。

エンドヨーク閉作業 (1) A側

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午後からはいよいよエンドヨークを閉じる。
いつもなら全部一気に閉めるのだが今日はA側(エレキハット側)のみ。
1段目が前方側を閉めている所と、閉め終わった所。2段目が後方側。
下段左(右)が前(後)方側の閉じた後の様子。
残りは明日の午後閉める予定。

エンドキャップ引き出し装置上部改造 (2)

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昨日切り落としてギザギザになっていた切断面をディスクグラインダを持ってきて綺麗にしてもらう。火器等使用届がいるので思い立ってすぐできる分けではない。
さすがにプロだけあって、保護眼鏡、マスク着用で、さらに火花が飛ぶ方を覆って粉が飛び散らないようにしている。
二手に分かれて作業して、午前中には終了。すっかり切断面も綺麗になった。

エンドキャップ引き出し装置上部改造

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休日にもかかわらず作業をするというので仕方なく出勤。
しかし、蓋を開けるとほとんどやることもなく、仕方なくという感じで、引き出し装置上部の改造。
左上の写真はQCSを入れたときのものだが、引き出し装置とQCSの舟が干渉していて、引き出し装置が30cmくらい手前までしか引き出せない状態。この状態だといろいろと作業に支障があるので干渉する部分を切ってしまう。
どうやって切るのかと思ったのだが、手持ちのバンドソー(写真右上)。鉄の厚さは4cmもあって、ゆっくりしか刃は進まないが、ちゃんと切れる。30cm弱、ギリギリまで切った状態が左下の写真。4台分切るのにほぼ一日かかった。
明日もあまり作業は無いので、グラインダーで切断面を綺麗にしてもらう。

バレルカロリメターケーブル戻し

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予定よりずいぶん早く引き出し装置が取り外せたので、月曜に予定されていた、エンドキャップカロリメターを固定する金具のネジにアクセスするためにずらしてあったバレルカロリメターのケーブルを元の鞘に戻す。ほとんどの所は既に戻してあるのだが、左右の下の方だけ、引き出し装置が邪魔して出来ていなかった。
左上の写真は右側を戻した所。VXDの人がバンバン踏みつけるのでケーブルを抑える金具を取り付ける全ネジがひん曲がっている。もはや取り付けるのは諦めた。
右上の写真は左側のケーブルのあたり。ECLのケーブルをトレイに戻そうとしたら、ARICHのバイアスケーブルと交差している。ARICHのエキスパートを呼んでコネクタを外してもらったら、今度はHPADのHVケーブルも交差していることが分かりそれも外してもらう。
ARICHのケーブルを脇に避けた状態でECLのケーブルをトレーに戻したのが左下。その後ARICHのケーブルもつないだのが右下の状態。
結局、ARICHの人に頼んでも場当たり的につないで満足してしまうので、了解の上、我々で、ケーブルトレイの蓋まで開けて、根元の方から直してしまう。
これで、一応、ヨークを閉める準備は整った。
エンドヨークを閉めるのは14日の予定。

前方側エンドキャップ引き出し装置撤去

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昨日に引き続き今日は前方側のエンドキャップ引き出し装置の取り外し。
昨日で要領をつかんでいるので、早く進む。
(左上) 一旦仮置きした半月板を引っ張り出している所
(右上) クレーンのワイヤーを気にしながら引き出し装置上部を外しているところ
(左下) 最後の引き出し装置下部を外している所
(右下) Neat に積み上げられた引き出し装置
3時前に全部取り外すことができた。

後方側エンドキャップ引き出し装置撤去

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鉛シールドも無事ついたので、いよいよ、エンドヨークを閉じるために引き出し装置を解体していく。
今日は後方側。
最初に取り外すのは半月板。QCSがあるのでそのままは引き上げられず、クレーンで吊って引き出し装置から外し、そのまま一旦下ろして仮置きし、気合で横にずらしてから吊り直す(上段左)。
次は引き出し装置上部を連結している板を外す。一人で持つには重いが、肉体労働者だけあって気合で運んでくれる。
引き出し装置上部の左右が分かれたら、それぞれクレーンで吊って運び出す(上段右)。みんな上を向いているのはクレーンのフックがBelle2の構造物に当たりそうになっているから。クレーンの操作はとてもトリッキー。
次は、引き出し装置下部を連結している板の撤去。これは結構重いのでクレーンで吊り上げつつ、人力で横に押して、QCSの下から運び出し、取り出す。
引き出し装置下部が分かれたら、両側の足場を解体してスペースを作り、クレーンで引き出し装置下部を吊る。クレーンのワイヤーとBelle2の構造物が干渉するので、90度回して、クレーンの稼働範囲に沿って動かし、上がクリーンになった所で引き上げる(中段)。
クレーン操作を誤ってQCSを壊すと実験が終わってしまうので、クレーンの操作は緊張する。
下段左は取り外した引き出し装置を所定の置き場に並べた所。ここに次使うまで置いておく。
下段右は引き出し装置が取り外されて、ヨークを閉めるだけの状態になった後方側。
明日は前方側。前方側の方がスペース適には厳しいので、困難が予想される。

前方側鉛シールド取り付け

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昨日に引き続き今日は前方の取り付け。
その前に後方側の引き出し装置を下げて放射線モニターの作業が出来るようにする。昼食前に見にいくと綺麗に測定器が取り付けられていた。上段右のグレーの円形の所にシンチレーター?とPMTが取り付けられている。元々は上下左右4ヶ所と聞いていたのだが、左右二ヶ所になったようだ。
前方側のシールド取り付けは後方よりはスムーズに進んだ。
中段左は左右のシールドを結合させる所だが、前方側はネジを入れる所でラッシングベルトを使い締め上げてみた。昨日使ったレバーブロックよりは明らかに非力だが、元々のずれが少なかったのかうまく留められた。中段右は結合された鉛シールド。
この後、引き出し装置を前進させて、取り付け板でエンドキャップに取り付け。昨日は板の穴が全然あわなくて苦労したのだが、今日はたまたまうまい所に最初からいたようで無調整ですべてのボルトが入った。
下段はシールド取り付け終了後の前方の様子。
明日は、おそらく後方側から引き出し装置の取り外しと足場解体。いよいよインストール作業の終了が見えてきた。

後方側鉛シールド取り付け (2)

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続いてもう半分のパーツを持ってきて慎重に半月板に取り付ける(上段左)。
エンドキャップに固定する前に半割になっているシールドをつなぐのだが、上段右の小さな写真でも分かるくらい(1cm以上)ずれている。これをレバーブロックで締め上げたり、バールを使ってこじたりして(中断左)何とか結合する(中断右)。
ここまできたら引き出し装置を使って押し込んで、エンドキャップに留めればおしまいなのだが、取り付ける板の穴の位置が絶望的に合わない。下段左が一番合わなかった所で、8ヶ所のうちここともう一ヶ所ネジが入らないところがある状態。残りの6ヶ所はネジが入っている。この状態で、この場所は左にずれ、もう一ヶ所は右にずれているので、調整のしようがない。
仕方なく穴を広げて対処(下段右)。何とかネジはハメたのだが、今ひとつうまく固定できている気がしない。
予想以上に時間を使ってしまい、今日は時間切れ、引き出し装置を切り離して、荷重を移すのは明日の朝になった。
前方も同じようになったら、予定が遅れてしまいそうだ。

後方側鉛シールド取り付け (1)

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今日から鉛シールドの取り付け。予定では前方からだったのだがARICHの人が待ってほしいというので後方から。
リハーサルと同じようにチェインブロックを使って吊って縦にする(上段左)。上段右はシールドの断面で、紫色に見ている所が中性子減速用のポリエチレン、それ以外がステンレスの容器で中に鉛が入っている。
これを慎重に吊ってQCSを避けながらECL引き出し装置の半月板に取り付ける(中段左)。そもそもスペースが狭いのと、上にはBelle2ソレノイドの煙突があってクレーンのワイヤーと干渉するので往生する(中断右)。
下段は何とか半月板に固定した所。
この辺まではまだ順調。
つづく

エンドキャップ冷却不良

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エンドキャップが前進固定され、読めるようになったので、チェックが進みノイズの多いチャンネルの修理が行われているのだが、作業しているロシアの人に冷えてないところがあると言われた。
エンドヨークを閉じる作業に入る前に何とかしないといけないので土曜日だが様子を見に行く。
エンドキャップを触ると、確かに下の方が暖かい。冷却水のカプラ部分を触っても冷たくないところがあり、明らかに下側のセクターに水が回っていない。
エンドキャップには16のセクターがあってこれを4つに分けて冷却しているので、チラーから送られた水は4つのセクター内のぐにゃぐにゃ曲がった配管をを順番に通って出てきてチラーに戻る。
回らない理由だが、二つ考えられて、チラーが高い所にあるので下のセクターの水が重力に負けてチラーに戻れない可能性ともう一つは配管中に空気が残っていてこれが圧力を下げている可能性。チラーからの水はマニフォールドで単に4つに分けているだけなので、空気が残っていたり、重力の問題で抵抗が大きくなったら、そこだけ水の流れは悪くなる。
そういう予想の元に検出器に行き、冷えてないところの配管を外してカブラーのバルブを押して水を出すと、予想通り空気が出てきた(左)。空気が出なくなるまでしばらく水をこぼした後配管を戻す。さらに、このセクタの圧力を上げて空気を排出するため、一旦他のセクタのカプラーを外す(右)。
しばらく待つと、水が回りだしたのかカプラーが冷たくなってきたので、外しておいたカプラを元に戻す。
どうやらうまく行ったようだ。水が一旦回り出すと、チラーのところに空気のトラップがあるので空気は減っていくと思う。
最後にこぼしてしまった分だけ、新しい水をチラーに給水して作業終了。
これで安心して、次の作業に進める。
プロフィール

light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと
中村円眞堂@instagram

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