前方側シールド作業

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出張から帰ってきて筑波に様子を見にいくと前方側のシールド積みがずいぶん進んでいた。
小さい写真では分かりにくいが、一番Belleに近い部分の門型シールドが新しくなっている。
右上の写真はシールドの中からBelleを見た写真だがBelleが見えないくらいコンクリートが積まれている。これくらいしないとホールに中性子が出てくるということらしい。
後方はまだやっていないので右下の写真を見ると違いが分かる。

ポリエチレンシールド取り付け

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引き続きポリエチレンの遮蔽体を取り付ける作業。
Belle2的にはあまり必要ないと思うのだが、外部へ中性子が漏れるのを防ぐ意味があるのだと思う。
10cmくらいの厚さのポリエチレンの板をエンドヨークの形に合わせて加工してあるのを、クレーンで吊ってポルトでヨークに貼り付けていく。
左下は最初の一枚を設置した所。Belle2のエンドヨークと加速器が設置した架橋を延長するコンクリートシールドの間に5cmほどの隙間がある。この方向には何もないのでそのままB4の床に当たり、更にその床からA側には何も遮蔽体がないので、心配。しかも、架橋の下からA側に進んで、放射線管理区域を出た所に、エリアモニタがあるので、結構鳴ってしまうのではという気がする。

エンドヨーク閉作業 (2) B側 Phase2 検出器完成

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昨日に引き続きB側のヨークを閉める(一段目)。
閉まったら、一応ヨーク間の隙間を測る(二段目左)。二段目右の写真は最後に閉めた後方B側を閉めているとき。このハンドルを回していってヨークが閉まり切る。例によって職権を乱用して、最後は私がハンドルを回してヨークを閉める作業を完了させた。
三段目はヨークが閉まった状態の前方(左)と後方(右)。後方は舟のすぐ後ろのBending Magnetの間から撮ってみた。
ヨークが閉じたのですぐにソレノイドを励磁する。4段目左はソレノイド電源の表示パネルで4096Aが定格でこれで1.5Tかかっている。
B3のコントロールルームでは磁場がかかった状態でデータを取ろうとたくさん人がいて、いよいよ実験が始まるという雰囲気がある(4段目右)。

ヨークが閉まって、Phase2の検出器は完成と言って良い。誰も言ってくれないので私がここで完成と宣言してしまう。
数々の困難があったが、無事ここまで来れて肩の荷が下りた。
誰も祝ってくれないので、シャンパーニュでも開けてこっそりとお祝いでもしよう。

明日からはシールドを設置したり、実験室を整理したりという作業。

エンドヨーク閉作業 (1) A側

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午後からはいよいよエンドヨークを閉じる。
いつもなら全部一気に閉めるのだが今日はA側(エレキハット側)のみ。
1段目が前方側を閉めている所と、閉め終わった所。2段目が後方側。
下段左(右)が前(後)方側の閉じた後の様子。
残りは明日の午後閉める予定。

エンドキャップ引き出し装置上部改造 (2)

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昨日切り落としてギザギザになっていた切断面をディスクグラインダを持ってきて綺麗にしてもらう。火器等使用届がいるので思い立ってすぐできる分けではない。
さすがにプロだけあって、保護眼鏡、マスク着用で、さらに火花が飛ぶ方を覆って粉が飛び散らないようにしている。
二手に分かれて作業して、午前中には終了。すっかり切断面も綺麗になった。

エンドキャップ引き出し装置上部改造

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休日にもかかわらず作業をするというので仕方なく出勤。
しかし、蓋を開けるとほとんどやることもなく、仕方なくという感じで、引き出し装置上部の改造。
左上の写真はQCSを入れたときのものだが、引き出し装置とQCSの舟が干渉していて、引き出し装置が30cmくらい手前までしか引き出せない状態。この状態だといろいろと作業に支障があるので干渉する部分を切ってしまう。
どうやって切るのかと思ったのだが、手持ちのバンドソー(写真右上)。鉄の厚さは4cmもあって、ゆっくりしか刃は進まないが、ちゃんと切れる。30cm弱、ギリギリまで切った状態が左下の写真。4台分切るのにほぼ一日かかった。
明日もあまり作業は無いので、グラインダーで切断面を綺麗にしてもらう。

バレルカロリメターケーブル戻し

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予定よりずいぶん早く引き出し装置が取り外せたので、月曜に予定されていた、エンドキャップカロリメターを固定する金具のネジにアクセスするためにずらしてあったバレルカロリメターのケーブルを元の鞘に戻す。ほとんどの所は既に戻してあるのだが、左右の下の方だけ、引き出し装置が邪魔して出来ていなかった。
左上の写真は右側を戻した所。VXDの人がバンバン踏みつけるのでケーブルを抑える金具を取り付ける全ネジがひん曲がっている。もはや取り付けるのは諦めた。
右上の写真は左側のケーブルのあたり。ECLのケーブルをトレイに戻そうとしたら、ARICHのバイアスケーブルと交差している。ARICHのエキスパートを呼んでコネクタを外してもらったら、今度はHPADのHVケーブルも交差していることが分かりそれも外してもらう。
ARICHのケーブルを脇に避けた状態でECLのケーブルをトレーに戻したのが左下。その後ARICHのケーブルもつないだのが右下の状態。
結局、ARICHの人に頼んでも場当たり的につないで満足してしまうので、了解の上、我々で、ケーブルトレイの蓋まで開けて、根元の方から直してしまう。
これで、一応、ヨークを閉める準備は整った。
エンドヨークを閉めるのは14日の予定。

前方側エンドキャップ引き出し装置撤去

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昨日に引き続き今日は前方側のエンドキャップ引き出し装置の取り外し。
昨日で要領をつかんでいるので、早く進む。
(左上) 一旦仮置きした半月板を引っ張り出している所
(右上) クレーンのワイヤーを気にしながら引き出し装置上部を外しているところ
(左下) 最後の引き出し装置下部を外している所
(右下) Neat に積み上げられた引き出し装置
3時前に全部取り外すことができた。

後方側エンドキャップ引き出し装置撤去

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鉛シールドも無事ついたので、いよいよ、エンドヨークを閉じるために引き出し装置を解体していく。
今日は後方側。
最初に取り外すのは半月板。QCSがあるのでそのままは引き上げられず、クレーンで吊って引き出し装置から外し、そのまま一旦下ろして仮置きし、気合で横にずらしてから吊り直す(上段左)。
次は引き出し装置上部を連結している板を外す。一人で持つには重いが、肉体労働者だけあって気合で運んでくれる。
引き出し装置上部の左右が分かれたら、それぞれクレーンで吊って運び出す(上段右)。みんな上を向いているのはクレーンのフックがBelle2の構造物に当たりそうになっているから。クレーンの操作はとてもトリッキー。
次は、引き出し装置下部を連結している板の撤去。これは結構重いのでクレーンで吊り上げつつ、人力で横に押して、QCSの下から運び出し、取り出す。
引き出し装置下部が分かれたら、両側の足場を解体してスペースを作り、クレーンで引き出し装置下部を吊る。クレーンのワイヤーとBelle2の構造物が干渉するので、90度回して、クレーンの稼働範囲に沿って動かし、上がクリーンになった所で引き上げる(中段)。
クレーン操作を誤ってQCSを壊すと実験が終わってしまうので、クレーンの操作は緊張する。
下段左は取り外した引き出し装置を所定の置き場に並べた所。ここに次使うまで置いておく。
下段右は引き出し装置が取り外されて、ヨークを閉めるだけの状態になった後方側。
明日は前方側。前方側の方がスペース適には厳しいので、困難が予想される。

前方側鉛シールド取り付け

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昨日に引き続き今日は前方の取り付け。
その前に後方側の引き出し装置を下げて放射線モニターの作業が出来るようにする。昼食前に見にいくと綺麗に測定器が取り付けられていた。上段右のグレーの円形の所にシンチレーター?とPMTが取り付けられている。元々は上下左右4ヶ所と聞いていたのだが、左右二ヶ所になったようだ。
前方側のシールド取り付けは後方よりはスムーズに進んだ。
中段左は左右のシールドを結合させる所だが、前方側はネジを入れる所でラッシングベルトを使い締め上げてみた。昨日使ったレバーブロックよりは明らかに非力だが、元々のずれが少なかったのかうまく留められた。中段右は結合された鉛シールド。
この後、引き出し装置を前進させて、取り付け板でエンドキャップに取り付け。昨日は板の穴が全然あわなくて苦労したのだが、今日はたまたまうまい所に最初からいたようで無調整ですべてのボルトが入った。
下段はシールド取り付け終了後の前方の様子。
明日は、おそらく後方側から引き出し装置の取り外しと足場解体。いよいよインストール作業の終了が見えてきた。

後方側鉛シールド取り付け (2)

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続いてもう半分のパーツを持ってきて慎重に半月板に取り付ける(上段左)。
エンドキャップに固定する前に半割になっているシールドをつなぐのだが、上段右の小さな写真でも分かるくらい(1cm以上)ずれている。これをレバーブロックで締め上げたり、バールを使ってこじたりして(中断左)何とか結合する(中断右)。
ここまできたら引き出し装置を使って押し込んで、エンドキャップに留めればおしまいなのだが、取り付ける板の穴の位置が絶望的に合わない。下段左が一番合わなかった所で、8ヶ所のうちここともう一ヶ所ネジが入らないところがある状態。残りの6ヶ所はネジが入っている。この状態で、この場所は左にずれ、もう一ヶ所は右にずれているので、調整のしようがない。
仕方なく穴を広げて対処(下段右)。何とかネジはハメたのだが、今ひとつうまく固定できている気がしない。
予想以上に時間を使ってしまい、今日は時間切れ、引き出し装置を切り離して、荷重を移すのは明日の朝になった。
前方も同じようになったら、予定が遅れてしまいそうだ。

後方側鉛シールド取り付け (1)

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今日から鉛シールドの取り付け。予定では前方からだったのだがARICHの人が待ってほしいというので後方から。
リハーサルと同じようにチェインブロックを使って吊って縦にする(上段左)。上段右はシールドの断面で、紫色に見ている所が中性子減速用のポリエチレン、それ以外がステンレスの容器で中に鉛が入っている。
これを慎重に吊ってQCSを避けながらECL引き出し装置の半月板に取り付ける(中段左)。そもそもスペースが狭いのと、上にはBelle2ソレノイドの煙突があってクレーンのワイヤーと干渉するので往生する(中断右)。
下段は何とか半月板に固定した所。
この辺まではまだ順調。
つづく

エンドキャップ冷却不良

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エンドキャップが前進固定され、読めるようになったので、チェックが進みノイズの多いチャンネルの修理が行われているのだが、作業しているロシアの人に冷えてないところがあると言われた。
エンドヨークを閉じる作業に入る前に何とかしないといけないので土曜日だが様子を見に行く。
エンドキャップを触ると、確かに下の方が暖かい。冷却水のカプラ部分を触っても冷たくないところがあり、明らかに下側のセクターに水が回っていない。
エンドキャップには16のセクターがあってこれを4つに分けて冷却しているので、チラーから送られた水は4つのセクター内のぐにゃぐにゃ曲がった配管をを順番に通って出てきてチラーに戻る。
回らない理由だが、二つ考えられて、チラーが高い所にあるので下のセクターの水が重力に負けてチラーに戻れない可能性ともう一つは配管中に空気が残っていてこれが圧力を下げている可能性。チラーからの水はマニフォールドで単に4つに分けているだけなので、空気が残っていたり、重力の問題で抵抗が大きくなったら、そこだけ水の流れは悪くなる。
そういう予想の元に検出器に行き、冷えてないところの配管を外してカブラーのバルブを押して水を出すと、予想通り空気が出てきた(左)。空気が出なくなるまでしばらく水をこぼした後配管を戻す。さらに、このセクタの圧力を上げて空気を排出するため、一旦他のセクタのカプラーを外す(右)。
しばらく待つと、水が回りだしたのかカプラーが冷たくなってきたので、外しておいたカプラを元に戻す。
どうやらうまく行ったようだ。水が一旦回り出すと、チラーのところに空気のトラップがあるので空気は減っていくと思う。
最後にこぼしてしまった分だけ、新しい水をチラーに給水して作業終了。
これで安心して、次の作業に進める。

前方鉛シールド取り付け試験

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引き続き、前方鉛シールドの取り付けのリハーサル。
鉛シールドは一度取り付け試験をしているのだが、QCSの舟と引き出し装置の干渉が発覚し、シールドを下げきれなくなったため、ちゃんとシールドが取り付けられるか分からなくなり、時間も余ったので、本番前に一度リハーサルすることにした。
今回はQCSがあるのでシールドは半割にして取り付ける。スリングとチェインブロックを駆使し吊り方を工夫して何とか取り付ける向きにしておく(右上)。
これを慎重にクレーンで運んで行く(左下)。右下の写真が取り付け治具まで何とか運んだところだが、クレーンのワイヤーと上部の構造物が干渉しているので、人力で押しながらクレーンを下げるとかそういうアクロバティックな作業をしないとうまく行かない。このシールドを例えばQCSに当ててしまって、壊すと実験が終わってしまう可能性があるので、クレーン操作はかなり緊張する。
取り敢えず、治具の改造なしでも慎重に作業を行えば取り付けられそうな事がわかったので、取り付けずに元に戻して今日の作業終了。
ここで一旦、Belle側の作業は中断、加速器の作業が終わるのを待って、2月6日から作業再開予定。

後方エンドキャップ前進、固定

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29日に引き続き今日は後方側の固定。
前方よりビームパイプまわりの場所に余裕があるので特に問題なく押し込めた(左上)。左右の駆動装置が剛に連結している訳では無いので、どうしても少しは位置がずれる。なので、クランプで固定金具の位置を無理やり合わせてネジを入れる(右上)。この部分はエンドキャップを取り付けた時には完全に面になるようにしているので、ここを合わせれば、自動的にECLは正しい位置に固定される。はず。
その後、所定のトルクでネジを締め(左下)、固定は完了。
昨日の反省を生かして、引き出し装置とエンドキャップをとめているネジを外す前に、引き出し装置を少し下げておいたので、特に問題なくネジは外れた。
右下は今の後方側の様子。
この後、ケーブルが接続される。

CsI 結晶移動

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Belleの電磁カロリメターに使っているカウンターの予備や試作品、CsI結晶は大穂実験棟の保管庫に置かれていたのだが、つくば実験棟に移動した。
大穂の保管庫は恒温恒湿倉庫になっていて、25度、20%に保たれていたのだが、空調装置が壊れて以来そのまま。保管庫内のすべての結晶は防湿袋に真空パックされているし、CsI結晶の潮解性は極弱いので、基本的には急激な温度変化がないところに置いておけば良い。そういう意味では恒温恒湿倉庫だけでなく空調も壊れてしまって温度の安定しない大穂より、筑波の方が安定なのでよいというのが一点。
大穂のECLの部屋は結晶の保管とエレキのテストベンチの二つの目的で使っているのだが、テストベンチの方もほとんど使われることが無くて、筑波のB2に移動してしまえば大穂の部屋が空けられ、物品の分散も解消するというのがもう一点。
左上は筑波某所に新たに建てた棚。右上は大穂の保管庫から出してきた結晶。ここに写っているので半分くらい。これを、分類して、筑波に運んでもらい(左下)、新たに建てた棚に並べていく。
思ったより結晶の数が多くて、棚一棹では収まりきらなかった。その分の棚は又調達して建てることにしよう。
これで、大穂の結晶はなくなってすっきりした。後はテストベンチとして使っているラックを一棹運んでくればとりあえず大穂での活動はなくすことができる。実行はphase2が始まった後の来年度か?

前方エンドキャップ前進、固定

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いよいよPhase2に向けて前方エンドキャップを前進させて固定する。
内部足場を撤去したら、エンドキャップが入る部分を掃除機で掃除する。パッと見はそこそこキレイだったのだが、掃除機で吸ってみると小さいネジや座金が出てきた。やはり面倒でも掃除しないといけない。
関連検出器の人に来てもらってエンドキャップを押し込み(上段)。途中何度かARICHのケーブルが当たって中段する。今後、Belle2が終わるまでに10回はこの作業を繰り返すと思うのだが、いつか、ケーブルやコネクターを壊すと思う。その辺のことをARICHの人はどう思っているのだろう?
最後まで押し込んだら、エンドキャップを固定するボルトとナットをはめて、トルクレンチで締め(中段)固定完了。エンドキャップの位置はあらかじめ決めてあるし、ボルトもちゃんと入ったので再現はしていると思う。
固定は終わったので、半月板とエンドキャップをとめているボルトを外すのだが、7tの荷重がかからなくなると引き出し装置が伸び上がるので穴が少しずれ、少し下げてやらないとボルトが回らない(下段左)。
外れたら一度試しに引いてみて(下段右)、その後足場を組んでケーブル作業に備える。
これで、もう、内部には触れない。実験開始にまた一歩近づいた。
明日はこの作業は休みで、後方は明後日。

前方エンドキャップ前進テスト

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今日は前方エンドキャップの前進テストを行った。
VXDのinstallationが終わった後一度やっているのだが、QCSを入れるときに、少し動かしたので念のためもう一度やることになった。
気にしていたものが、前に問題になったVXDのCO2クーリングのコネクターが入った箱より1cm位はうちに入っていたので心配はしていなかったのだが、予定どおり問題なく押し込むことができた。上段は押し込んだ状態での写真。
その後、再び引き出して、内部に足場を設置した。
足場を設置する前の綺麗な状態で撮った写真が下段。右側は内側から撮った珍しいアングルの写真。

QCS前進作業 後方 (3) 無事完了

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測量結果の懸念はあるのだが、出きることは余り無いのでギリギリかもしれないが押し込んでRVCを再度試みることになった。
前進作業自体は金曜日にもやっているので何の問題もなく終了(写真上段)。
QCSとVXDのフランジは最後の2mm位で接触し始めるので、ファイバースコープの画面を見てもらっていたのだが、最後まで動きは分からなかった。祈りながらRVCのハンドルを回すのを見ていると、無事はまり、接続に成功した(写真中段)。これに失敗すると、結構なダメージだったのでこの瞬間は今年に入って最初の緊張感だった。
その後、真空グループによる気密試験があって、これも無事パスしてめでたくQCSとVXDの接続は完了。
この後はしばらく、前進したQCSの後ろの電磁石とビームパイプの設置が行われる。

QCS前進作業 後方 (2) 測量

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その後 RVC がハマらない問題は、QCSのフランジと、VXDの冷却パイプの干渉だということが分かりその対策がとられている。
予定していた測量は必要は無くなったのだが、KEKまで出てきたので測ることにした。
色々とものがあって、Calibration用のターゲットを見るのが難しいのだが、QCSの舟の上に設置すれば見えることが分かったのでそこに設置(写真左)。
久しぶりだったが、Total Station の座標設定はうまく行き一安心。
測りたいのはVXD側のフランジのZ方向(ビーム方向)の位置。一応座標は再現できたが、絶対測量だと自信がないのでVXDの円筒の縁とフランジの表面を測ることにする。VXDの円筒の位置は加速器の人にお願いして正確に測ってあるのでそれを基準にするという考え方。右の写真はフランジのあたりだが、中心と上下左右に5つターゲットスティッカーがはってある。
測量の結果だが、VXD円筒の位置はnominalな位置と一致してまずは安心。
フランジはベローズについていて、ノミナルな位置から2mmQCS側にずれているのはずなのだが、その位置がノミナルな位置にあるように見える。
私はこのへんの詳細な位置情報は持っていないので、確信はないのだが、測量結果を信じると、VXD側のフランジの位置は2mm程ずれているということになる。
測量を信じればQCSを前進させてもギリギリ触る位なので、RVCがハマらない可能性はある。そんなことより、2mmも位置がずれていることの方が気持ちが悪い。
月曜日までに何とかなるだろうか?

QCS前進作業 後方 (1) 一旦撤退

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今日は後方QCSの前進作業。
前方がそれなりに順調だったので、スペース的には余裕のある後方は問題なく行くかと思ったがいきなり問題発生。
上段左の写真はBelle側のビームパイプのフランジ部分。ここにベローズがついているのだが、右側のベローズのフィンガーが所定の場所から外れて曲がってしまっている。ベローズなので伸び縮みする為、乱暴に扱うと外れてしまうそうなのだが、正直なところどうしてこうなってしまったのかは分からない。
現場で直せなければ数日の遅れは確実なのだが、度々登場するDESYのエンジニアの人が何とか現場で修理してくれて、午後には ready になった(写真上段右)。
予定よりずいぶん遅れてQCSの前進を開始(中段)。
一番厳しいのはQCSとBelleの隙間を測るギャップセンサーでこれが一番狭いところを通るとき(下段左)には指で曲げてクリアさせなければならなかった。一応、QCSが所定の位置まで前進できてめでたしめでたしと思ったのだが、ここで問題発生。
QCSとBelleの真空パイプをつなぐRVCがうまくいかない。
説明するのは難しいがRVCはカメラのバヨネットマウントのようなもので、双方に羽がついていて、押し込んでからひねると固定される仕組み。十分に押し込まれないと羽根同士が当たって回らない。予定ではBelle側のフランジがベローズのストロークを使って2mm飛び出していて、QCSが所定の位置にくると押し込まれるはずなのだが、なぜか押し込まれない。ファイバースコープを見た感じだと後1mmか2mmくらいは押し込まないといけないという。元々、2mmずらしてあるのに後2mm届いてないということは4mmもずれているということで、これはちょっとありえない。
対処療法で接続することは可能そうだが、一度仕切り直しということで、前進は月曜日いこうということになった。

QCS前進作業 前方(2)

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仕切り直して午後、前進再開。特に問題なく押し込めた。
上段左は最後まで押し込んだ状態。まだ、加速器とBelle2のビームパイプは真空接続されてないので、ハンドルを回し接続する。上段右は真空接続部を見ているファイバースコープの画面、その右に真空接続するためのハンドルが写っている。この部分はDESYで何度もテストしてきたとあってスムーズに進む。
ここで、加速器の真空グループの人にバトンタッチして気密試験(リークテスト)をやってもらう。中断左が装置。ビームパイプに真空ポンプをつないで真空に引き、ビームパイプの外側にヘリウムガスを流してやって、ビームパイプに染み込んでくるかどうかを調べている。幸いなことに全く問題なく真空試験も無事パスした。

これで、QCS前進作業の半分は無事終了。大変めでたいのだが、残念だったのはBelle2側の人の作業への参加が少なかったこと。特にVXD関連の人の少なさは異常で、DESYのエンジニアの人と、Innter detector の coordinater の二人しかいなかった。この夏に予定されている本番のVXDをinstallするときのために今回の貴重な経験を行かしてほしかったのだが、ちょっと残念な結果といえる。

下段はQCS前進後の様子。
後方側は金曜日に前進する予定。

QCS前進作業 前方(1)

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年が改まって最初の重要な作業。今日からQCSを前進させてVXDと連結する。
加速器のbeampipeとVXDのビームパイプは高真空でつながないといけないのだが、接続部は手が届かないところにある。なので、RVC(Remote Vacuum Connection)という機構をDESYで作ってそれでつなぐのだが、これがうまく行くかどうかがupgrade作業の重要な一里塚になっている。
上段左が前進前の状態。ここから、6.3m程前進する。上段右がEndcap ECLに突き刺さる直前。中段左はEndcapを貫いて前進してきているところ。右はQCSの先端がCDCの内筒に入っていくところ。
下段左に写っているところが一番タイトなところで、昨日問題が発生してちょっと直したところ。円弧状になっているグレーのものはVXDのまわりに窒素を閉じ込めるための仕切りでこれが一番出張っていて、まわりのケーブルの束等との間のクリアランスがゼロ。手で広げながら通す。
ここで、QCSが乗っている舟と呼んでいる架台(下段右の写真の水色の部分)とエンドキャップ引き出し装置(同写真の黄色い部分)が当たることが判明。前進を中断してエンドキャップを前進させるハメになった。

両エンドキャップ後退

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今日は来年早々に行われるQCSの前進に備えて両方のエンドキャップを後退させる。
年末恒例のエレキハットの空調のメンテナンスが始まっていて、データはとれない状態なのでケーブルは先週のうちに外してもらっているので、特に問題なく引き出しは完了。
内部足場も取り付けてQCS前進前に作業を出来るようにしておく。
この状態で年を越し、QCS前進は9日から行われる予定。

ECLバイアス電源ライン改造

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奈良から学生さんがやってきて作業するので、手伝えとの指令。
DC電源からECLのphotodiodeへ電源を供給しているケーブルを改変する。
Photodiodeのバイアス電圧はDC電源からVMEクレート内のCollectorモジュールに一旦入り、そこから芋づるケーブルを使って各読み出しモジュールに分配されている。クレート単位でバイアス電流を見たければ簡単なのだが、クレート内で分割してモニターすると、入り口を二つにせざるを得ない。
ちゃんとやり方は考えてきているらしく特に手伝う必要もなさそうだったので、自分の仕事をしながらたまに見物していた。
作業としては、まず既にinstallされている芋づるケーブルを外す。ケーブルは左上の写真のモジャモジャしている信号ケーブルの裏側にあるのでとても外しにくい。ちょっとだけ手伝ったが、コネクタの角が当たって手が痛い。
右上は外した後改造されたケーブル。一ヶ所バイアス電源が通っているところが切られている。本来の電源は左側から供給されるのだが、カットされたところより右側には一書に写っているLEMOから入力する。
左下が、クレートに戻されたケーブルで、新たに別系統からの電圧がLEMOから供給されている。
全部で52箇所あるのだが、今日で2/5くらいは終わったか?
明日は奈良の先生が来るので私は用なし。

右下は今日納品された衝突点付近に増設されるコンクリートシールド。これでも1/3以下の量なのでしばらくは実験ホールが狭くなりそう。

棚の設置と固定

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実験を長くやっていると必然的にものがたまってきて場所が足りなくなる。特に時々しかこない人たちはKEKの土地は只とばかりに荷物を好き勝手に置いていってしまう。
そういうのは注意したのち勝手に捨ててしまったりするのだが、そうもいかないものもあるので、なるべく空いたところに棚を立てて整理してもらうことにしている。
左上は最近立てた棚でTOPの人の荷物置きにしてもらう。幅180cm高さ240cmの立派な棚で、30000円くらいした。軽量中量ラックという商品で、一段あたり200kg、全体で1tの耐荷重がある。私は満足なのだが、皆さんは重量ラックじゃないと華奢で嫌だとおっしゃる。そういう目で見ると確かにB4にある棚は立派な重量ラックが多い。で、調べてみると同じくらいのサイズで15万くらいするのでお話にならない。

すべての棚は転倒防止策を施さないといけない決まりなので、今日はその作業。
これも私以外の人は、すぐ業者に頼んでしまうのだが、二人雇うとそれだけで10万近くするので、工具を全部買ったとしても、自分でやった方がまだまだ安い。
右上はこのために買った日立の振動ドリル。これに、6mmのコンクリートドリル、コンクリート用のプラグとLアングルを買う。全部合わせても1.5万くらいしかしない。
作業としては一度Lアングルを棚側に仮止めして、穴の位置をけがき、ドリルで指定の40mmの深さの穴をあける。業者の人に頼むと一人がドリル、一人が掃除機のノズルを持って穴あけするのだが、悲しいかな一人なので右手にドリル、左手に掃除機のノズルを持って穴あけするハメになる。やってみると分かるがコンクリートに穴を開けるには結構な力がいるので、片手で抑えるのがつらい。
何とか穴をあけたらプラグを差し込み(左下)、Lアングルをセルフタッピングネジで止めて終わり(右下)。
なれてなかったので二か所止めるのに1時間くらいかかった。
これからも一人の作業になりそうなので掃除機のノズルをドリルに固定する治具を作るのが良いかもしれない。
固定を自分でやって浮かせたお金で、後いくつか棚を設置してせいぜい整理してもらおう。

治具搬出

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ARICHのcommissioningも進み、どうやらもう一度外して何か修理するということもなさそうなので、夏以降に行ったARICHとForward Endcap ECLのinstallationに使った治具の類を搬出する。
業者や機材の都合により土曜日に出勤。
1段目は前後方兼用に改造したエンドキャップの吊り治具。トラックに積んで搬出して筑波実験棟裏の野外治具置き場に。
二段目は前方エンドキャップ起立運搬治具。同様に搬出して野外治具置き場に。これらを置くと治具置き場が手狭になるので、とりあえず保管されているいらないものを捨てることにして場所をあける。
三段目はARICHの組み立てやinstallに使われた治具。これはECLの治具より繊細にできているので、テント倉庫内に保管。
難しい作業ではないのだが、重いのと、移動が多いので結構時間がかかり、3回、移動するだけでほぼ一日仕事。
昼休みに見知らぬ人が多数筑波実験棟のトイレを使いにきたので何かと思ったら、八郷の茅葺き屋根保存会の皆さんが茅を刈ににきてらっしゃるようだった(4段目)。テレビらしき人もいたので何かで紹介されるのではないだろうか?。せっかくなんだからKEKからもボランティアを募って、一書に活動すれば良いのに。知らせてくれれば参加する人はいるような気がする。ぜひ来年はお知らせ願いたい。

エンドキャップ前進

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Phase2 VXDのcommissioning作業は主力部隊がクリスマスは日本にいたくないというのをmotivationに急いで行われ、無事終わったようだ。エンドキャップを引き出していると、当たり前だが、エンドキャップカロリメターとARICHは読めないのでそっちのstudyが進まない。年が明けるとQCS前進作業などでまた引き出さないといけないので、ここで一旦年末のシャットダウンまで前進させることになった。
作業自体はテストも行っているので、特に問題も出なかった。左上は後方側を押し込んでいるところ。後20cmというところ。右上は押し込んだ後の後方の様子。
左下はECLの人がノイズをチェックしている様子。少し前から特定のチャンネルにノイズが乗るようになったということで、ケーブルをつなぐ前後や、ARICHのケーブルをつなぐ影響などを調べている。Trigger に実際に使っているFlash ADCを使って波形を見ることができる。こういう当たり前の機能がちゃんと実装されていると色々な事が楽にできる。
私は自分の担当の冷却水の配管をつないだのだが、出遅れて ARICH のケーブル作業の後になってしまい、往生した。右上が配管のカプラがあるあたりで、ARICHの各種ケーブルが大量にあって大変。とてもUglyだし、このままだとエンドヨークが閉められないので何とかして欲しい。

前方エンドキャップ前進テスト

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昨日のことだが前方エンドキャップを所定の位置まで前進させるテストを行った。
Phase2 VXDのinstall作業も進んで配管配線が終わりに近づいているのだが、主に配管をやっているテクニシャンの人がドイツに帰る日が近づいているというので、前のような失敗を繰り返さないよう一度前方エンドキャップがちゃんと所定の位置まで行けるか確かめてみることになった。
左上が現在の状態で、この写真では分かりにくいが、将来QCSが入る部分の周りにDockBox(ドックボックス)と呼ばれる配線配管の中継をする箱が取り付いている。
事前の目視確認ではVXD関連の問題は無さそうだったが、ARICHの配線が心配。ゆっくり前進していったところ、やはりARICHのケーブルの取り回しが悪くて、入らないところがあった。右上は一例で、金具の隙間が10mmしかないので引っかかってしまった。エンドキャップと駆動装置の重量を加えると10tくらいあるので、ケーブルが引っかかったくらいではハンドルにまったく手応えは無く、簡単に破断してしまうので注意が必要。
一書に見守っていたARICHのエキスパートの人に処置をしてもらい押し込んでいくと、なんとか、金具が当たるまで押し込むことができた(左下)。右下は押し込んだときのDockboxまわりの様子。低温にするためVXD周辺に窒素を充填しているので黒い幕で塞がれている。
その後、VXDの人に押し込んだことにより問題が出てないか確認してもらったところ、問題なく動作したということで、試験はクリア。今後の作業のため再び引き出して終了。
このままの状態で後一週間程VXDのコミッショニングを続け、その後両エンドキャップを押し込んで、ARICHとECLもコミッショニングに参加することになる。

前方内部足場設置

belle17116.jpg
昨日時間が無くて暫定的につけた足場がお気に召さなかったらしく、注文がついたので、かつてBelle1の時に使っていた内部足場を持ち出してきて取り付けることにした。
まずは金具を前方エンドキャップを固定するための金具につける(左上)。前方エンドキャップは引き出されているのでこの金具が使える。そこにアルミパイプで作られた専用の足場材をはめ込み(右上)、後はそこに床を貼れば完成(左下)。片持ち構造でグラグラするので、反対側もスペーサーを入れて丈夫なところにのせてしまう。
CDCの中に頭を突っ込むときはレールに乗った作業台で、それ以外の作業はこの内部足場の上に乗ってする。
右下は、現在の前方の様子。
これからしばらくはVXDのコミッショニングなのであまり作業は無い。
プロフィール

light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと
中村円眞堂@instagram

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