1秒21cm

一時期行かなくなっていたのだが、最近また週末暇なときに筑波山を自転車で登りにいく。
不動峠を走るタイムはあまり変わっていないので、私のFTP(160-170W)はあまり変わっていないようだ。

日本最低とはいえ私も一応物理屋なので、理想的な場合を考えてどの位タイムが出るのかちょっと計算してみる。
Powerは仕事率なので1秒間あたりの仕事。つまり1秒積分すれば仕事になる。165Wとすれば165Jだ。接地面の抵抗と空気との抵抗を無視すれば仕事は mgh なので、質量と重力加速度で割ってやれば1秒間に登れる高さになる。簡単だ。
私の体重(大体67kg)と自転車と服、持ち物等を合わせて80kgとして計算すると h=165/80/9.8 = 0.21m となる。
つまり、軸出力165Wで80kgの人が登れるのは最大で1秒あたり21cmとなる。実際は転がり抵抗と走行による空気抵抗があるのでこれよりは小さくなる。
不動峠は高度差が280mなので、0.21で割ればおよそ22分10秒になる。これが理想的な状態の値なので最速値。
これをヒルクライム出力計算サイトに入れて計算すると186Wになる。すると、効率は大体89%と言うことになり、かなり高い。確かに計算サイトで空気抵抗係数や転がり抵抗係数を買えても大して計算結果は変わらないので、実際効率は高いのだろう。つまり、上り坂に於いては上昇速度が支配的ということになる。この点は出力を推定する上ではかなり有利。
この仮定では充分効率は高い(あるいは対地速度にあまりよらない)と思えば、走破タイムは軸出力と重量で一意に決まることになる。では、私が不動峠を20分で走るためにはどうすればいいかを計算すると、205W出すか、出力を保ったまま15kg減量しろということになる。どちらもかなり厳しい。

上記で軸出力と書いているのは実際にはペダリングの技術などにより心肺の出力と車軸の出力には差があるということ。例えば両足を同時に踏めば明らかに出力はロスするし、筋力と必要なエネルギーの関係が非線形になる領域(過負荷)で走れば当然ロスが生じる。
しかし、第一近似的には上記の極度に単純化されたモデルで充分だろう。

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プロフィール

light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと
中村円眞堂@instagram

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