加速器セミナー FCC Optics

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前加速器施設長がKEKにやってきて開いたセミナー。
FCCというのは Future Circular Collider の略でJとかIとか最初につけずどこの計画かよく分からなくしてあるが、LHCの後にやるCERNの加速器の計画の一つ。
基本的には一周100kmのトンネルを掘ってe+e-のcolliderをつくり、Higgsの研究をしたのち、Proton加速器に作り変えるという、LEPをそのまま大きくしたような計画。多分、始まるまで20年、終わるまでにさらに50年はかかるのでこの部屋にいる人で実験終了を生きてみられる人はいないだろう。
パラメターを拾うのに苦労したのだが、周長は100km、重心エネルギーは350 GeV、Luminosityは2.6x10^34。
加速器としてはKEKBとそっくりでe+e-なんだが2リング方式。
ルミノシティーを上げるためにQmagnetを近くにして、シンクロトロンをうまく逃してとやっていくと、crossing-angleを持たせないといけないということなんだろうか?
もう一つの問題は一周中のenergylossで、Ebeam 175 GeVだと、リングを半周する間に2%位energy loss するらしく、場所によりエネルギーがどんどん下がっていく。なので、同じ場所でe+とe-のエネルギーが最大2%違うことになる。エネルギーが2%違うビームを同じ磁場で曲げると2%曲がり具合が違う訳で single ringだとうまく行かないとのこと。
Beam injectionはどうやるのかと聞いたらこれも KEKB と同じということで、つまり、別の加速器で175 GeVまで加速してから入れる。ということはもう一本ringを作って加速するということ。つまり 3 ring。

このFCCが一体いくらくらいでできるのかは分からないが仮にILCと同じとすると、将来Proton加速器に転用出きるという発展性はあるが、純粋にe+e-器としてみたときの物理はどうだろう? 350 GeV だと、Higgs の selfcouplingは難しそうだし、軽い SUSYやNew Physicsは期待できないので、より高い energy の proton 加速器を作るまでの行きがけの駄賃としては、金と苦労の割りに得られる物がすくないんじゃないだろうか? いきなりLHCの次の proton 加速器を作れという議論が起こる気がする。

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light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと

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