情報センシング研究会 @ NHK技研

nhk16032.jpg
今日は早起きして東京に出て映像情報メディア学会というのがやっている情報センシング研究会というのにでていた。
デジカメやビデオ用のセンサーの研究会で畑違いなのだが、一つ興味深いセンサーがあったのでその話を聞くのが目的。
会場は祖師谷大蔵という駅から歩いて10分ほどのところにあるNHK技研というところ。祖師谷大蔵は円谷プロがあったところだそうで駅前にはウルトラマンの像がある。
会議場はNHK技研の立派なホールで、240人参加者があってほぼ満席だったので小林ホールくらいか?
目的のセンサーはパナソニックが2月頃に発表したAPD増幅機能付きのCMOSセンサーで資料を読む限りはSingle Photon SensitiveでAvalanche Gain が10^5あるというのでガイガーモードだと思われた。ガイガーモードAPD(GAPD)を小さいピクセルにすることは結構されていて10um位までは製品が存在するが、これは3.3umピッチでしかも個別に読出し回路がついている。我々の業界にも使いたい人が出そうなスペックだ。
講演によると資料で読んでいた通りAPD部分はガイガーモードでBreakdown 電圧の 2V上で使っているそうだ。また、2V下で読むリニアモードというのもあってこの場合もavalanche gainがあって数倍あるそうだ。発表にはクエンチングについて触れられていなかったので質問してみたのだが、今一つ納得のいく答えはもらえなかった。
講演後の休み時間に講演された方を直撃したところかつてSpring8にいたことがあるそうでKEKのことをご存じだった。学術応用できる可能性があるのでぜひ一度KEKに来て話を聞かせてほしいとお願いをしたら前向きな返事をいただいたので、帰ったら早速連絡してセミナーの準備をして講演依頼しよう。
このセンサー以外にも色々と、(学術的というよりは、カメラのセンサー技術として)興味深い講演が多く中には業界に応用がききそうなものもあった。主には将来の8K 撮像に向けた高速読み出しと、目指せsingle photonの高感度低ノイズ技術などだが、これもよく話題に上る有機センサーの話もあった。パナソニックの発表では実際に動くセンサーになっている。有機センサーといってもシリコンの読出し基板の上に生成された光電荷変換層だけが有機素材でできていてその上にはベイヤーフィルターやマイクロレンズが同じようにある。講演では有機センサーの利点欠点などまとめてくださっていたので色々理解できた。中でも有機センサーの最大の利点だと思ったのはグローバルシャッターの実装が簡単なことで、有機センサー膜の上にITO電極があってここに電圧をかけることにより光電荷変換を抑制し、シャッターとするそうだ。ほかにも色々な仕掛けがあってすごいセンサーなのだが、商品化される気配がないのは、まだ、何か製造上の問題とか耐久性の問題とか解決できていない問題があるのだろう。

産業界のセミナーはこれが初めてだったのだが、講演の前に登壇者の紹介が必ずあって、学歴、職歴、研究歴、受賞歴が発表される。講演も過剰に言葉遣いが丁寧なので効率が悪い。きっと発表できることに制約があるのだろう、中には原稿を読んでいる人もいた。そういう雰囲気の中でも私は自分の興味に負けて何度か質問をしたのだが、いつものように不躾にやったのできっと違和感があったと思う。

コメント

非公開コメント

プロフィール

light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと
中村円眞堂@instagram

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
リンク