毛穴の200万分の1?

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朝車に乗っているときはFMラジオが流れているのだが、番組の提供と思しき怪しげな会社の宣伝通販番組が良くある。たいがいは気にも止めないのだが、物理屋の性か反応してしまった。
ナノなんとかという育毛剤で、育毛成分をナノカプセル化して浸透させるというもの。そんなのはどうでも良いのだが、宣伝中に『毛穴の100万分の1の大きさ』といっているところが引っかかるので、物理屋得意のオーダーの計算をやってみる。nmに100万をかけるとmmだ。毛穴の大きさは良く知らないが髪の毛の太さ程度と思えば100umのオーダーだろう。100umを100万で割ると0.1nmでもはや原子レベル。宣伝によるとナノカプセルの大きさは100nmのオーダーだという。100nmに100万をかけると100mm、つまり10cmだ。毛穴の大きさが10cmというのは明らかにおかしい。
webを見ると粒子サイズは140nm、毛穴の200万分の1の大きさといっているので、毛穴の大きさは280mm、28cmだ。280um(0.28mm)ならしっくりくるので、きっと3桁間違えたのだろう。
しかし3桁も間違えるかなあ? 宣伝効果を狙って故意に間違えているとしたらたいしたもんだが。

(アマゾンで売っているのを見ると1/1200になっている。さすがに気づいたようで、今はナノカプセルの数100兆個というので売っているようだ。)

追記、
ついでなんで100兆個の粒子ってどれくらいの数なのだろう?
アボガドロ数が炭素12gの原子数で定義されているので、質量数1当たり1gに6x10^23個原子がある。
水は水素が二個酸素が1個なので質量数18位。なので、1gあたり3x10^22個くらいになる。日本語だと300垓(ガイ)個。宣伝によると2ml(2gだ)に100兆個のナノカプセルなのだそうで、これを600垓と比べると、10億分の1のオーダーとなる。
ナノカプセルの数は水分子の数の10億分の1も入っている。では宣伝にならないか。

追記の追記
良く見ると 2ml には3.3兆個らしい。なので水分子の100億分の1の割合。

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light higgs

Author:light higgs
KEK(高エネルギー加速器研究機構)@つくば市でBelle2という実験をやっている。
自称『日本最低の物理屋』。
『円眞堂』(えんしんどう、本当は圓眞堂)は父の屋号です。写真のぬいぐるみについてはこのエントリ参照のこと
中村円眞堂@instagram

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